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PL別キャラ設定置場 各PLごとにページを作成して、そこに自PCの設定を載せて行ってください。 PL おろち PL 夕餉 PL マヒロ PL 病院坂
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577. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/01(日) 11 28 30.99 ID CzwfiwAO サンドイッチを頬張りながら八木がうつむき加減で話し始めた 八木「実はさ里美と安田は小学校からの友達だったんだよね…」 加治木「そっか…」 自分には返答のしようがなかった 八木「里美悲しむだろな…」 加治木「…………」 あえて沈黙で返した。 自分にはどうすることもできないし 里美の名を頻出する八木にちょっとした怒りを覚えたからでもある 八木「でさ、さっきの話だけど。公衆電話からこの番号にかけてみない?」 加治木「まだいってんのかよ…、もし危ないやつだったりしたら」 八木「公衆電話からじゃわかんないし、もしかしたら犯人かもしれないじゃん。もし犯人なら警察に事情話せばいい。違うならそのままでいいしな」 加治木「うーん………、わかった……」 食事を済ませ、公衆電話を探した 携帯電話が普及しているため公衆電話が減っていることもあり 探すのに少し苦労したが やっとテナントビルの脇にあるのを見つけた 578. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/01(日) 12 07 48.47 ID CzwfiwAO {ガララッ 加治木「ほ、ほんとにやるの…?」 八木「もち」 八木「俺がやるから」 八木は財布からテレホンカードを取り出し 番号が書かれた紙を見ながらボタンを押した プルルルルル…プルルルルル… ダイヤル音が公衆電話の空間に響く 加治木(だいじょうぶかな……) 八木も少し緊張しているようだ まばたきが多くなってきた ガチャッ 「もしもし」 若い男の声だがどこか低い声 あの男だ! 八木「あ…あ、あの…」 「どなたかな?どこでこの番号を手に入れたんだい?」 八木「あ、あなたこそ誰なんですか!?」 八木の声が甲高く空回りして 明らかにテンパっている 男の優しい問いかけの声が八木をおもったより緊張させたようだ 「…………」 相手の声が一瞬止まった 八木が沈黙を打ち破るように言った 八木「もしかして、今ニュースでやってる通り魔じゃないですよね!?」 加治木(おぃぃっ!それはあまりにも唐突でしかも直球すぎじゃないか!?相手にもさすがに失礼じゃ…) 「フフッ」 受話器の向こうから吹き出すような笑い声が聞こえた 「僕が通り魔だってw?なんの根拠があるんだい?」 八木「こ、根拠は無いです!ただあなたが怪しいと言う人がいるので!」 br()} 579. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/01(日) 12 45 58.87 ID CzwfiwAO 「それは困ったなぁ…うーん……」 少し唸ったあと、 「じゃあ僕の疑いが晴らせればいいんだね?」 八木「え?」 どうやって?と言わんばかりの顔で2人は顔を見合わせた 「君達公衆電話にいるんでしょ?」 八木「……はい…」 これはまだ予想できる範囲であるので大して驚くことでもない、が 「後ろ見てみなよ」 また2人は顔を見合わせガラス越しの街並みをみた 街は歩行者天国なので人が行き交っている すると、道の反対側 丁度公衆電話の向かい 黒のパーカーを着てニット帽を深く被った男が道の左側から歩いてくるのが見えた 手に何か持っている 右から歩いてくるのは… 真鍮高校の制服を着た女子2人 まさか…!! 男が手にしているのはナイフ そのすれちがいざま 断末魔のような悲鳴が聞こえ 一瞬のうちに女子高生2人は地に臥していた 頭にはナイフが突き刺さって 道は赤く染まった 八木「ばっ、馬鹿やろう!!」 受話器に向かって八木が叫んだ 「これで疑いは晴れたはずだよ、じゃ加治木君にもよろしく言っといて」 ガチャッ…ツーツー 加治木「ど、どうする!?」 八木「犯人を追おう!今路地裏に入ってくのが見えた!」 580. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/01(日) 14 58 49.06 ID CzwfiwAO 何を言ってるんだ八木は… 何か八木に言おうとしたとき 八木はすでに飛び出して追いかけていた 加治木「あ、八木…あーもう!」 とりあえず八木の後を追った あまりにおかしなことが有りすぎて何から考えればいいのかをまずは走りながら考えた どうしてあの男は通り魔が起こることがわかったんだろう しかし今の状況からだけでは推察することは不可能だ とりあえずこれは後回しにして 八木は本気で通り魔を捕まえる気なのか? 相手はナイフ持ってるかもしれないんだぞ? 何が八木をそこまでさせるんだ? この疑問を八木の背中にぶつけてみた 加治木「おいっ!!相手はナイフ持ってるかもしれないんだぞ!危ないよ!!」 八木「でもさ!これ以上あいつ野放しにしたらまた誰か殺されるぞ!しかも俺達が捕まえたらヒーローじゃん!」 どうやら八木は今犯人を捕まえてこれ以上犠牲者を出させないつもりらしい、が 加治木は八木の返答に複雑な気持ちを抱いた 加治木(…いつからあいつはあんなかっこよくなっちまったんだよ) 八木は電話の相手のことなど忘れたみたいにただ前を走っていた お互いの距離は3mくらいなのに加治木には途方もなく離れているように感じた 路地裏のビルが並ぶ小さな十字路にさっきの犯人が走っているのが見えた 581. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/01(日) 15 56 07.71 ID CzwfiwAO 加治木「あっ、あれだ!!」 八木「誰か他にも追いかけてるぞ!」 50m先に犯人を追いかける若い男性がいた 八木「三人がかりなら…!」 加治木「右に曲がったぞ!」 犯人が右の更に細い道に入り先の男性も後を追った 八木「確かあの路地裏は行き止まりが多いから追いつめられるかも!」 そして2人は犯人が曲がった路地に入った 八木「!!」 路地に入ってすぐの道の真ん中にさっき追っていた男性が胸にサバイバルナイフを突き立てられ 仰向けに倒れていた 素人目にもすでに死んでいるとわかるぐらい口から血を吐き 辺り一面に血液が飛散していた 加治木「八木!!いっちゃダメだ!!」 さすがに恐怖で足が止まった 加治木「俺達にどうこうレベルじゃないよ!!警察を呼ぼう!」 八木「………ッ」 八木は一瞬戸惑ったような表情をした。 そして冷静さを取り戻したのか道にへたり込んだ 582. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/01(日) 17 17 22.06 ID CzwfiwAO 八木「はぁはぁ………と、とにかく救急車呼ぼう」 加治木「ゲホッ…いや、ダメだよ。もう死んでる…」 八木「……人ってこんな簡単に死んじゃうのか…」 死体を前にして何故か冷静でいられる自分達がいた。 疲れのせいか恐怖をすでに味わったからなのか。 とりあえずポケットから携帯を取り出し警察に連絡し場所を伝えた。 警察がすぐに向かうそうだ。 八木「はぁ…はぁ…でもなんであいつ通り魔がヤるのを知ってたんだ…?」 やっとその疑問に八木が辿り着いた 加治木「……通り魔とあの男はグルなんじゃないかな…わかんないけど…」 八木「やつ最後に加治木君によろしくって言ってたぜ?名前言ったのか?」 火照った身体の背筋が少し寒くなった。 あの男に名前を言った覚えもないし、 どうしてあの場所に自分がいたことがバレてるのか。声を発してはいなかったはずだ 見られていた?例えそうだとしても何の意味が? 八木「…見たか?さっき殺された女子高生」 一瞬だったのと八木をすぐに追ったためちゃんと見ていなかった。 八木「真鍮高校、しかも隣のクラスの女子だ。見たことある」 加治木「…………通り魔の狙いは真鍮高校の女子?」 八木「恐らくな、何が目的かはわかんないけど、もし電話の男が通り魔とグルなら…ヤバいぜ、櫻井」 583. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/01(日) 17 53 35.79 ID CzwfiwAO 確かに… グルと仮定するなら狙いは櫻井で、 櫻井の容姿がわからないから真鍮高校の女子を次々と殺しているのか? いや、あの櫻井の絵を見ると顔はわかっている じゃあ単なる無差別…? グルじゃないのか? うーんわからん 加治木「あのさぁ…さすがにいきなりあの人を犯人扱いするのは尚早じゃない?」 八木「重要参考人くらいにはなるだろ。これではっきりした」 「ギチギチギチ」 八木「カジ、なんか言った?」 加治木「いや」 「なぁんだおめぇら…ガぁキじゃねぇか」 八木「……………」 ザッザッ 黒い影がこちらに近づいてくる 今いる路地裏はビルに挟まれているため日中なのに夕方のように暗い 2人に動揺が走った 「おれを追っかけてきたのが運の尽きだな。そういう正義面してるやつみっとイライラすんだ」 通り魔だ…!手にはナイフを握っている… まずい!殺される! 加治木「あ……あ………あわわ……」 加治木(…八木っ…!に、逃げるぞ!!) 八木の肩を掴み相手に聞こえない最大の大きさで叫んだ だが、八木はすくっと立ち上がり相手に向かって言い放った 584. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/01(日) 20 46 24.49 ID CzwfiwAO 八木「な…なんで彼女達を殺したんだ!!彼女達がいったい何をしたって言うんだ!?」 加治木(いやいやいや!真っ当な意見だけどさ、時と場合によるだろ!!明らかにヤバそうな相手だぞ!) 通り魔の男は少しキョトンとしたようだった すぐに笑い出し 「ギチギチギチ………単なる人違いだよ、運が悪かっただけだ!別に理由なんてねぇよ!!」 八木「……こいつっ……!!」 「なんだぁ?お前にゃ関係ねぇだろぉ?」 ナイフをもう一本取り出し両手でもった 「安心しろぉよ、今楽にしてやるからよぉ。その正義面した顔をなますぎりにしてやるよぉ」 加治木「逃げろっ!!早く!!」 通り魔はサバイバルナイフを向けこっちに突っ込んできた。 八木「うっ、うわぁぁっ!!」 ヒュン 通り魔はナイフを八木の頭めがけて突き出したが 間一髪しゃがみこみ、八木の頭をかすめた。 「ギギッ…」 八木はしゃがみ込むと同時に通り魔の脚に蹴りをいれ通り魔の体勢を崩し転倒させた 加治木「八木!倒れてる隙に早くっ!!こっちへ!」 「ギギッ……小癪なぁぁっ!!」 が、通り魔の振った刃の先端が膝をかすめ 立ち上がろうとした八木はまた倒れてしまった 585. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/01(日) 23 43 32.99 ID CzwfiwAO ファンファン…(パトカー) 通り魔「ギッギッギ…今からてめぇの顔の皮ゆっくり剥いでやろうと思ったがぁ…お時間がねぇみてぇだな…」 通り魔「しょうがねぇから簡単におめぇの頭ぶっつらぬいたあと後ろで震えてる育児なしもぶっ殺してやるよぉ」 八木「うぁっ…ぁっ…」 加治木「ひっ…あっ…あ…」 2人は恐怖で動けなかった 蛇に睨まれた蛙の如く そして少し後悔していた… 行き過ぎた行動に 今から横に横たわっている死体みたいになってしまうと思うと 恐怖で頭が真っ白になり 歯がガタガタし始め、身体が小刻みに震えだした 通り魔「後悔しろぉやぁっ」 通り魔の男は八木にまたがりナイフを振り上げ 八木の頭めがけて突き刺した ガキン! だがナイフはいつのまにか空を回り 地面に音をたてて落ちた 2人も驚いたが一番驚いたのは通り魔自身かもしれない 586. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/01(日) 23 59 42.40 ID CzwfiwAO 通り魔「な、なんだぁっ!」 辺りを見回すが誰もいない 一体何が起こったんだろう… 「上だよ上、通り魔さん」 ビルの非常階段の脇に誰かがいる 「あらら…間に合っては…いないみたいだね」 通り魔「誰だぁっ!?」 「そんなことよりいいのかい?そろそろ逃げ場無くなっちゃうけど」 通り魔「………ちぃっ!」 通り魔は片方のナイフを収めると素早く立ち上がり ビルの狭間の暗闇に消えていった 八木も加治木もその助けてくれたらしい人の方を向いたまま硬直していた 命の危機から助かった体がそのまま何も考えられず止まってしまったようだ 「いいかい君達、時として無謀な勇敢というのは全てを失うことだってあるんだよ」 透き通った声が思考停止した頭にすんなり入ってきた 「勇敢なのはいいことだけど自分の力量も知らずに相手に向かうのはよくないな」 八木「あ…あなたは…」 八木がやっと喋ることができた 「そんなことはどうだっていいことだ。今は命が助かったことを素直に喜ぶほうが大事だと思うよ。大切にしなよ、一つしかないんだから」 そう言うと非常階段を上に登っていき見えなくなった 590. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/02(月) 19 21 40.78 ID 9r/xu.AO 助けてくれた男が見えなくなった直後に 現場にパトカーが2,3台到着し 2人はすぐに保護されて 警察で事情聴取を受けた そして親も呼ばれてこっぴどく怒られた さらに1日停学処分にもされ(精神カウンセリングという名目で) 10時には家に帰されたが さらに家でも怒られた だが2人は電話の男のことはあえて言わなかった…。 いや、そのことが頭からすっぽり抜けていた、と言うのが正しいのかもしれない ―――――――― 「た…助けてっ…!いやぁ……!!!」 「うぐぐっ……に…逃げろっ…!!ギャッぁ」 唯「…やめてっ……やめてったら!」 闇の中に苦しむ2人の姿 どこか見覚えのある顔は もはや見る陰すらなく 強張り恐怖の顔のまま固定していた 唯「どうしてこんなものを見せるの…!!なんで…なんで…」 ただうずくまって泣くしかなかった。 夢の中であるはずなのに その空間は冷たく質感があった 昨日の夢と同じ…いやもっと酷い 酷くなっている 心が締め付けられて壊れそうになる 「…世界を統べる者…」 能面的な仮面をつけた黒鎧の男 こいつが殺した こいつが全てを奪った 心の中の自分がそう呟く 591. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/02(月) 23 30 16.33 ID 9r/xu.AO もう一人の自分が側にいて 悲しそうな顔で自分に言う 「お父さんとお母さん…殺されちゃった…」 唯「そんなの私知らない!」 続けて言う 「仇討ってよ…ねぇ…」 唯「どっかへ行って!!そんなの関係ない!」 「……これはあなたの記憶よ…あなたは知っている…」 唯「…何を…!?こんなの知らない!」 「………見て…」 もう一人の自分が右を指差した そこにはさっきの見覚えがある人が首だけになってテーブルの上に置いてあった 「あれはあなたの最期の記憶……よほど強烈だったようね……」 唯「……いやっ……いやぁっ……!!こんなの……!!」 「ほら…あなたの感情はまだ覚えてる…あの時の絶望とも言える悲しみ…理不尽な暴力に対する憎しみ……ほうら…思い出してきたでしょ」 唯「うぁ……ぁ……っ」 ―――――――― 櫻井家17 28 母「唯!唯!」 目を開けるとそこには母の顔があった まばたきすると目から涙が溢れた 母「大丈夫?すごい魘されてたけど?」 唯「う……うん……」 母「昨日からずっとじゃない?お医者さんに見てもらう?」 唯「いいの…大丈夫…だから…」 母「そう…?ほら、涙で枕が濡れちゃって。代わりの枕持ってくるからね」 592. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/02(月) 23 46 56.30 ID 9r/xu.AO 寝ながら泣いていたようだ 昨日と同じ夢が、だんだん鮮明になってきて そして現実感が増してきた 唯「………」 何かを思い出して来ているような… しかしなんのことだかわからない さらに悲しみという感情が自分の中に確かなものとしてある 唯の心境は複雑極まりない状況であった 悲しみはあるのにそれが何から発せられるものなのかがわからないのだ 夢の中の残虐な光景に悲しみはあった気がするのだが いまいち確信はもてない 自分の中で何が起こっているのだろうか… 母が新しい枕を持ってきた アザラシの時計を見る もう五時すぎ… あまり寝たくはなかった またあの光景が夢の中に現れるような気がしたからでもあり それを思い出してしまうかもしれない恐怖もあったからかもしれない 唯「*下でテレビみててもいい?」 *部屋は二階 母「え、えぇ…いいわよ」 母は目が赤くなっている娘を見てちゃんと寝てなさい、とは言えなかったようだ 593. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/03(火) 00 01 32.90 ID 9FcLGIAO 薄暗くなったリビングにいき テレビをつけた 夕方のニュースの時間だ 「……有狩町の有狩駅前で通り魔事件が発生、現場から中継でお送りしていみす」 唯「すぐ近くだ…」 「現在わかっている情報では近所の真鍮高校に通う女子生徒2人が通り魔の男性にサバイバルナイフのようなもので刺され2人とも死亡が確認されました!即死のようです」 映像には見覚えのある街並みと 野次馬の山、テープで仕切られた中に警察がたくさんいた 「今日は休日だったので人がたくさんいたことから…あ、はい…ただいま入った情報によると犯人が凶器に使ったナイフが先日の足戸駅前での事件で使われたナイフと同一であることが鑑識の調べでわかりました!」 カメラは舗装された道に染み込んだ大量の血痕を映した ズキン 唯「……いたっ……」 血をみた瞬間頭に痛みが走った 「あ、さらに…現場から逃走した犯人を追いかけた男性がここから200mほど先の路地で犯人にナイフを胸にさされ死亡したようです!!続報がはいりしだいまたお伝えします」 594. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/03(火) 00 02 42.41 ID 9FcLGIAO していみす× しています◎ 595. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/03(火) 12 42 34.38 ID 9FcLGIAO {コメンテータ「白昼堂々とは…警察は一体何をしていたんでしょうね?あの事件以後、事件があった周辺は警戒を強化していたはずですが、これは怠慢としかいいようがありません。全く国民の税金は―ピッ」 チャンネルを変えた。 「午後12時50分ごろ有狩駅前で通り魔が―ピッ」 「警察の責任を追求する声もあり―ピッ」 どれも同じニュースだ。 真鍮高校の女子生徒… もしかしたら知っている人かも… そういえば里美にメール返してなかった。 なにか知ってるかもしれない br()というよりとにかく里美と何か話したかった。 br()今の唯の心の状態ならそれが普通かもしれない br()} 596. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/03(火) 18 36 24.33 ID 9FcLGIAO あまり推敲せずに書いてるので 若干読みにくかったり文章や流れがおかしいところがあると思いますが なにぶん文才が乏しいもので わかりにくいとは思いますが できるだけわかりやすく書こうと思うのでよろしくお願いします と、何度もこんなこと書いてますが 携帯で書くのはかなり書きにくいのです。。 携帯小説書いてる人はわかるかと思いますが 全体の見通しがしにくく流れが掴みにくいので 構成がしにくいのです…(自分だけかもしれませんが…) 早くPC買ってキーボードでちゃっちゃと書きたい 以上チラ裏でした ちなみに本編(3章)ですが 4章のネタを考えるための時間稼ぎでもあり 主人公達のキャラを深めようというためのものでもあり 物語の柱となる部分に触れるところでもあります そして各々の感情の動きもいれ 物語に深みを出そうと思った次第でありますが かなり変かもしれません… 許して。 あと男、女ではあまりにも記号的であり 感情移入しにくいので(自分の中で) 名前を入れてみました もしかしたらこのままでもゆくかもしれないし 元に戻るかもしれません 不評であればじきに元に戻します 長くなりましたが 自分なりにオリジナリティを追求していくつもりなのでよろしくお願いします 599. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/04(水) 17 55 30.50 ID wXMh6kAO 部屋に戻って里美に電話をかけようとしたとき ピリリリリリッ(着信音) 唯(……登録してない…誰だろ…?) ピッ 唯「もしもし…」 山本「あっ、櫻井?おれ、山本」 唯「…山本先輩ですか?なにか……」 山本「ニュース見た?通り魔の。それで櫻井大丈夫かなーって心配になって」 唯「…あ、ありがとう」 山本「それで前送ったメールの話なんだけど―」 唯「ごめんなさい…今風邪ひいてて…今度でもいいですか?」 山本「あー…うん、わかった。身体大事にね」 ピッ 唯「はぁー…」 まだ頭がズキズキしている。 でも誰から番号聞いたんだろ… 一息ついたあと改めて里美に電話をかけた 600. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/02/04(水) 19 14 21.37 ID wXMh6kAO プルルルルッ…プルルルルッ… 里美「……唯?…」 その声はとても元気がなかった。 唯「……里美…大丈夫?」 里美「…唯の方こそ大丈夫?いつもの唯の声じゃないよ」 唯「……」 自分も少し声が枯れぎみなことに今気づいた。 唯「…ニュース見たんだ。それで…里美は大丈夫かなって」 里美「……」 里美は黙っていた。何か泣いているようだ 電話の向こうですすり泣く声が聞こえる 里美「……(安田)尚美が殺されたんだって…通り魔に…」 唯「………」 尚美と言えば里美と同じクラスで仲のいい友達だった。 何回か会ったことあるけど結構人当たりのいい人だった。 そっか…もういなくなっちゃったのか…。 唯「仲良かったもんね…」 唯「…もしかして…今日殺されたちゃったの…?」 里美「…昨日だけど…、もしかして今日も…?」 唯「うん…有狩駅前で。また真鍮の女子が殺されたんだって…」 どうやらずっと泣いていたようでニュースは見ていなかったらしい そのことを告げるとわっと泣き出した。 泣き止むまで電話を耳にあてたまま待つことにした。
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449. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/19(月) 18 33 09.54 ID kJuU5sAO 第三章は「神都炎上」の予定でしたが変更しました。 ――――――――― ●第三章「初めての始まり」 できすぎていた。 タンタル軍の侵攻と呼応するかのようにアボガドロ帝国領海に侵攻してきたカリホルニウム軍。 この侵攻によりプルト市に駐留していた後軍は 海上防衛に割かれることとなり 嵐もあいまってハロゲン市は事実上孤立無援と化したのだ。 そして、タンタル領へ向け南侵していた皇弟ニッケル軍は壊滅、南征軍大将のニッケルは戦死。 死体はベンゼンの皇宮前広場に曝されていた…と。 偶然…?偶然だと言うのか? いや…明らかに我々兄弟を抹[ピーーー]るための布石だ。 思えば最初から何かがおかしかった… もしかしたら自分もそうなっていたかもしれない。 アルゴンは、得体の知れぬ実体のない力に怒りと畏れを感じた。 450. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/19(月) 18 54 52.36 ID kJuU5sAO アルゴンはもともとはあまり人を疑うことは好きではない。 だが、国家の皇族となれば 権力の中枢の魑魅魍魎に身を晒し その悪しき人間の業とも言うべき現実を目の当たりにしなければならず 上に立つものとして懐疑心は我が身を守るためには必要なものとして自覚はしていた、が やはりどこか自分の性には合わない気がしていたのだった。 今回の一連の事柄は明らかに我が身に矛先が向いている。 この身分である以上幾度か命は狙われてきたが 取るにたらないものだった。 しかし今回は違う。 命を狙う者は自分の身近な所に存在し策略を張り巡らし、現に弟は戦死…いや殺されたとみていい。 アルゴンの懐疑心は絶頂に達していた。 しかし、自分が懐疑心の下に動かずただ殺されるのを待つのも嫌だった。 ならば、こっちから仕掛け、その陰険な手段を使っているやつを見つけてやる。 …そう考えた。 そして思い出していた…。 死んだ弟のことを…。 451. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/19(月) 19 14 00.56 ID kJuU5sAO ――――――― 1ヶ月前… ―アボガドロ帝国 ベンゼン 「アルゴン皇子がご帰還なされたぞぉー!早く道を開けろ!!」 ワァー!ワァー! 誰もが羨むような勇壮な騎馬隊の先頭にアルゴンはいた。 アルゴン(半年振りのベンゼン…か) ベンゼンに入城したアルゴン一行の騎馬隊は 城民が並ぶ長い街路を抜け ベンゼン主城の巨大な門を抜け 宮門前で停止した。 アルゴン「皆長い行軍ごくろうだった。家に帰ってゆっくり身体を休めてくれ」 「ハッ」 アルゴン「さて…」 452. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/19(月) 19 37 16.95 ID kJuU5sAO 父上にことの報告をしなくては… …とても気が重かった。 ガシャッ 白馬から降りて 出迎えの臣下のただ並べたような麗句を受け流し 宮城入ろうとした すると後ろから聞き覚えのある声が聞こえた クロム「皇子」 アルゴン「クロム…半年振りか」 クロム「皇子、キュリ市*の視察はいかがでしたか?」 アルゴン「皮肉か?特に何もなかったさ、ただ一日中何もすることなく郡護太守の接待につき合ってただけだ」 クロム「…そうですか…」 アルゴン「父上から遠ざけられてるのは嫌でもわかるよ」 アルゴンは不満そうな笑みを浮かべた。 確かに、最近皇帝の嫡子という身分にも関わらず 郡市の視察や前線への補給など ベンゼンの外での雑務が多い。 453. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/19(月) 21 44 32.95 ID kJuU5sAO このようなことになったのは八年前 アルゴンとニッケルの生母 エステル皇妃が避暑地で何者かに殺害されたことに始まる。 正室の皇妃が亡くなったことにより一年後、喪があけた次の日に皇帝クレゾール・コバルトは 新たな正室を迎え入れた。 と、言ってもその新しい皇妃とは前皇妃在世にも度々親密な関係を持っており 臣の間では、新しい皇妃との正式な婚姻のために前皇妃を謀殺したとか 前皇妃を妬んだ新皇妃が暗殺しただの囁かれてはいたが 噂でしかなく、とても公に語れるものではない。 無論、前皇妃が何者かに殺されたなど公表できるはずもなく 民衆向けには突然の病死ということにしていた。 そして一年後… 新しい皇妃との間に男子が生まれる。名をアルキルとした。 皇帝はアルキルを寵愛し 前妻との子供のことなど無関心であった。 そして、やがてアルゴンとニッケルを遠ざけ始めた…。 邪魔だと言わんばかりに 454. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/19(月) 21 56 14.62 ID kJuU5sAO クロム「ふつつかなことを聞いて申し訳ありません……わ、私にできることがあればなんなりと言ってください」 アルゴン「気にしないでいいよ、クロム」 クロム「………はい」 アルゴンの不満そうな笑みが消えたのでクロムは一応の安心を得た。 あの顔で行けばまたなにやらいざこざが起こると思ったからだ。 しかし、あまり意味のない心配ではあった。 するとまた後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。 オゾン「おっ、アルゴン皇子、ご無沙汰だねぇ」 アルゴン「…!オゾンか。久しぶりだな、城に何か用か?」 オゾン「な〜に言ってんだよ、今日君がベンゼンに着くって聞いたからわさわざこうして出迎えに来たんじゃないか」 455. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/19(月) 22 28 33.42 ID kJuU5sAO オゾンとは所謂竹馬の友だ。 小さい頃からアルゴンの遊び相手兼勉強仲間だった。 度々、弟と三人で城の外に出ては狩りをしたり 馬に乗って駆け回ったり 権力を盾に街でいたずらをしていた。 勉学ではオゾンの方が若干上で 剣術や軍学ではアルゴンが上であった。 現在はその才能を買われ若くして アルゴンの直臣兼内政官として活躍している。 アルゴン「そうか、てっきり出迎えなんかには来ないと思っていたが」 オゾン「おいおい、僕はそんなに薄情じゃないよっ」 クロム「あの…さっきから聞いてたら……えっと…」 オゾン「あ、オゾンだよ、よろしくねお嬢ちゃん。確かアルゴンの魔法使人だっけ?」 クロム「アルゴン皇子の魔法使人クロムです。あ…オゾンさん、皇子にタメ口で話してますけど」 アルゴン「いいんだ、こいつは。許してある」 クロム「そ、そうですか…」 オゾン「まさかアルゴンにこんな趣味があったなんて…ww」 アルゴン「おいっ!ちがっ…違うぞ!」 456. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/19(月) 22 41 47.92 ID kJuU5sAO オゾン「照れなくていいよっwwけどこんな少女を側に置いておくなんて抜け目ないなぁ〜ww皇子様は」 アルゴン「おいっ!違うけど周りに言うなよ!変な誤解もたれたら困るだろ!」 オゾン「へっへ〜どうしよっかな〜」 クロム「………」 皇子のさっきまで疲れていた顔が…。 やっぱり友といる方が皇子は楽しいのでしょうか…。 何だろう…変な気持ち。 アルゴン「ふぅ…。とにかく今から父上に視察の報告をしてこなくてはならないんだ。オゾンまた後でこの件について話し合おう、クロムはここで待っててくれ、用を頼みたい」 クロム「はい」 オゾン「人の趣味に突っ込む気はないから安心しなよ」 アルゴン「…………」 457. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/20(火) 09 54 51.32 ID o4ufmIAO ――――― ツカツカツカ… 「お帰りなさいませ、皇子」 アルゴン「あぁ」 「皇子、陛下がお待ちです」 アルゴン「わかってる」 やはり何か気が重い。 父子であるはずなのに会うのが億劫だ…。 まだ、城の外で周遊していたほうがよかったとも思えてきた。 と、玉座の間に続くホールを歩きながら考えていると 階下のカーテンから呼び止める声がした ニッケル「兄上!ご帰還なされたのですか?」 アルゴン「あぁ。ニッケル、お前も戻ってたのか」 ニッケル「はい。昨日、賊の討伐から戻りました」 アルゴン「そうか、ご苦労だったな」 ニッケル「兄上こそお疲れでしょう、どうかゆっくり体を休めてください」 いつもと変わらない弟。 兄思いのいい弟である。ニッケルもアルキルが生まれてから 肩身の狭い思いをしていた。 だがアルゴンよりかは近くに置かれていたのは 皇帝がニッケルにまだ愛着があるからだろう。 ただいつもと変わっている所があるとすると… アルゴン「……ニッケル、どうして昨日戻ったのに甲冑をきて城内にいるんだ」 458. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/20(火) 11 23 35.22 ID o4ufmIAO ニッケル「あ…えっと…これはね…」 アルゴン「また賊の討伐を命じられたのか」 ニッケル「…うん、まぁそんな所だよ」 アルゴン「……ニッケル……いやなんでもない」 ニッケル「?」 アルゴン「また…後でな」 ニッケル「わかった」 アルゴン「………」 ニッケルが普段見せないような曇った顔している時は 何かを隠している時だ 兄としてそうとは知っていても 何故かそのときだけは 聞けないような気がした 近侍「アルゴン皇子、王がお待ちです」 アルゴン「お待ち…?」 近侍「はい」 待っている?除け者にしている私を… そんなことあるはずは…あの父が… 父に対する絶望に似た憎悪の中に少しばかりの期待が湧いたが 自らの無意識が掻き消した 459. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/20(火) 19 01 12.67 ID o4ufmIAO そして 玉座の間に入る華美な鉄の扉を開けた。 ギギッ ツカツカツカ サッ アルゴン「アルゴン、ただいま帰還いたしました」 両手を組む帝への礼の姿勢を取り 帝の返答を待った コバルト「面を上げよ、アルゴン」 顔を上げ、玉座を仰ぎ見る。 宝飾に飾られた椅子に座る者の表情をまずは見た 帝という立場が作り上げた眉間の皺が少しだけやわらんでいる気がした。 アルゴンは期待した。 460. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/20(火) 19 30 24.77 ID o4ufmIAO コバルト「大義であった」 アルゴンは少し心が震えた 労りの言葉をかけて貰ったのは何年振りだろう ついに…父が アルゴン「あ、有り難き御言葉…」 コバルト「*キュリ市の様子はどうであった」 *ベンゼンより東方に位置する郡都 アルゴン「はっ……我らが帝国の威勢と*治により民は歓喜し、皆帝の威光を称え歌い踊っております」 *政治 父を喜ばそうと誇大した。 実際は重税と兵役などにより 民は餓え、一部の地方郡官はまるで自分の世界の欲を満たすかのように 毎夜、酒宴を開き酒池肉林を実行していた。 アルゴンが視察に来ると手のひらを返したように平服し、 誠実な地方官を装っていたが アルゴンは事前に現状は知っていた。 だが、見てみぬふりをした。 別に賄賂だとか請願されたとか逆襲を恐れたわけでもない ただ……見たくなかった 腐った物を見たくなかった 地方郡都の全てがそうでないにしても これは、紛れもなく腐敗である 461. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/20(火) 19 56 01.16 ID o4ufmIAO 地方政治の腐敗は国家の根の腐敗 根が腐った大木は いずれ外郭だけを残し朽ちる ましてや中枢も… それをあえて言わなかったのは 父への小さな復讐心だったのかもしれない コバルト「そうかそうか、我が治はそこまで行き届いておるか」 と、言っても顔は笑っていない いつものことだと言わんばかりに アルゴン「ただ…一つ申し上げるなら…」 コバルト「何だ、申してみよ」 アルゴン「このところ他国への戦が多いような気がいたします、民は穀物の刈り取り時期にも徴兵され、少なからず不平を申しております…ここは戦の数を減らすべきではないかと」 帝の眉間にまた皺が蘇った コバルト「儂はお前のそのような所がいけすかんのだ!民のため民のためなどと!民はこの国の物だ!つまり儂の物だ!」 コバルト「民も国家の領土拡大のためならその心血を惜しみなく捧げてくれておる!我がアボガドロ帝国が世界を統べるためだ!民を労りすぎる貴様にはやはりこの覇業を任すことはできぬ!」 言い終わると座に腰を深く据え直し 眉間の皺がまた緩んだ 463. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/20(火) 20 53 06.88 ID o4ufmIAO アルゴンは言ったことを後悔した…。 任せられないと言った つまり後継者にするつもりはないと言うことを直接聞かされたのだ アルゴンは皇帝などという雁字搦めの為政者の地位にあまり興味はなかったが ならなければならないなら潔く受け入れるつもりだった。 しかし、いざ言われてみると 何故かその地位に執着する自分がどこかにいるのだろうか 急に焦りを覚えた コバルト「エステルのいらぬ所ばかり受け継ぎおって……全く困った女だ。まだ儂を苦しめるか」 冷や汗が噴き出した 母が…侮辱されてる… こいつ…… すると脇の柱から白髪の若い男が出てきた オキシ「陛下…そろそろ本題に入りませんと、午後の昼食会に間に合いません」 コバルト「そうだったそうだった」 アルゴン(本題…?) 467. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/20(火) 21 36 50.96 ID o4ufmIAO コバルト「オキシ、そちが説明いたせ」 オキシ「かしこまりました」 このオキシという男 名を、オキシ・カイザフという 若くして六老臣に推挙され 主に城内の警備・宮中政務を任命されている 綺麗な顔立ちをしているがどこか掴みどころのないやつだ オキシは壁にかけてある大陸図を指し オキシ「えーコホン…簡潔に申しますとハロゲン市が我らに併合を申し出てきました」 アルゴン「ほ、ほんとうか!?」 コバルト「ついにハロゲンの商人どもも我らの前に膝を屈したというわけだ、ハッハッハ」 なるほど…だからか…。 オキシ「あの城郭都市を相手にしていたら兵を無駄に失っていたでしょう、実に幸いなことです。時に、ハロゲンの市長が無血開城の代わりにと要求を突きつけてきました」 アルゴン「要求…」 468. 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/01/20(火) 21 40 55.67 ID GmSz0QMo wktkが止まらないw 1 勉強はうまくいってるか? 469. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/20(火) 21 54 53.28 ID o4ufmIAO オキシ「ハロゲン郡の郡護太守の選定はハロゲンの者から選び任命はその場で皇族に行って貰いたい、とのことです」 アルゴン「馬鹿な、そんな要求を呑んだのか!?」 オキシ「はい。勿論です。」 アルゴン「な………」 郡護太守の選定は裁任官と呼ばれる職種のものが 表面上公平的に行うものである。 その地位に相応しいと裁任官が判断し国家への忠誠を無二の者を 皇帝に推挙し、許が下りれば正式に任命される。 その際太守の家族はベンゼンに身柄を預けられることになる。 この要求は裁任官と皇帝の許を飛ばして直接任命すると言うことだ。 まして、皇族自ら出向くなど危険極まりなく 例え任命したとして謀叛の可能性は拭いきれない 父上のいつもより綻んだ顔はそのためか…! いや、まてっ… アルゴン「まさか……」 オキシ「えぇ、帝がお待ちしていたのはそのためで御座います」 470. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/20(火) 21 59 25.95 ID o4ufmIAO| aa2(c){ 468 br()正直なところセンター終わって気が抜けてます br()目標点にも届かなかったので br()ちょっと落ち込んでおります… br()浪人…………か br()} 471. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/20(火) 22 19 22.62 ID o4ufmIAO コバルト「アルゴン、お前にハロゲン市の太守選任に命を授ける!異存はあるか?あるならここで申せ」 異存もへったくれもないのは重々承知していた… 拒否権はない アルゴン「……………」 アルゴン「……其の命慎んでお受け致します……」 皇帝の顔は父とは呼べない不確かな笑みに満ちていた。 再び礼の姿勢を取った そして顔を上げるとまたいつもの顔を戻っていた アルゴン「一つ…宜しいでしょうか」 コバルト「なんだ」 アルゴン「…魔法使人の同行をお許し下さい」 せめてもの自己防衛であった コバルト「許そう、出立は三日後だ。それまで体を休めよ」 アルゴン「かしこ…まりました」 オキシ「無事をお祈りいたしますよ、アルゴン皇子」 何故かその言葉の真意がこの男から掴めない… アルゴン「では…これにて…」 シュタ、ツカツカツカ コバルト「アルゴンよ」 472. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/20(火) 22 26 35.53 ID o4ufmIAO コバルト「無事帰還できたなら、久しぶりに鷹狩りにでも行くか」 アルゴン「は………はい!」 何故だかこの一言で父への憎悪は半減した 父に認めて貰いたい自分がいたのだろうか でも…わからない 自分も…父の考えている事も… どうして…どうして… もう還らないと踏んでいるからそんな言葉が出るのか でもあの言葉には温もりがあった わからない…わからない… この命を完遂できればわかる きっと今度こそ…… 今度こそ…… 473. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/20(火) 22 58 38.12 ID o4ufmIAO 玉座の間から出たとき 変な高翌揚感に満ちていた ???「皇子…!申し訳ありません!」 この声は……モニア…! モニア「も、申し訳ありません…!私は反対したのですが…!」 六老臣の紅一点、モニア・カヴコール 政務の傍らアルゴンの守役として仕え、幼少時代からアルゴンの側にいた 年はおそらく50近くだが その気品は年を忘れさせる 現在は六老臣として国政の中枢に参加 主に外交を担当する アルゴンの数少ない理解者であり、親代わりであった アルゴン「………いや、いいんだ。モニア、私は大丈夫だ」 モニア「ですが危険過ぎます!つい先日まで敵地だったところに行くなど!私目が交渉して参りますのでどうかご辛抱ください…。ニッケル様に加えアルゴン皇子まで危険な場所に行かせるのは…」 アルゴン「ニッケルが危険なところだと?どういうことだ」 474. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/20(火) 23 17 25.90 ID o4ufmIAO モニア「……知らないのですか!?」 アルゴン「そこらの賊の討伐が危険だと言うのか」 一間置いたあと、モニアは重そうな口を開けた モニア「いえ、ニッケル様は……タンタル侵攻軍の*総将を任命され今日出陣なさるのです」 *総大将 な……ニッケルが……総将…… そういえばさっきニッケルに会ったとき甲冑を身に着けていたのは…… 愕然とした そして色んな感情と嫉妬に似た何かが頭を交錯した ガチャッ(甲冑の揺れる音) ニッケル「兄上……黙っていて申し訳ありませんでした……」 アルゴン(に…ニッケル………) ニッケル「兄上を差し置いて私などが軍の総将とは…兄上を前にして…とても…とても…言えませんでした…、お許しくださいっ!」 アルゴン「………」 わからない……何が何やら…… ニッケルが……父上は……何を考えておられるのか…… 475. 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/01/20(火) 23 17 29.60 ID GmSz0QMo 1 個人的な意見だが、今はやっぱり勉強に集中した方がいいと思う 思うように点が取れなくて落胆するのは分かるし、気が抜けるのも分かるんだが、ここで踏ん張らないと本当に取り返しが付かなくなるぞ こっちに力を注いでおいて肝心の受験でいい結果が出なかったんじゃ元も子もないわけで 476. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/20(火) 23 31 53.10 ID o4ufmIAO 475 ご心配どうも とりあえず明日、予備校で今後の方針を立てようと思うので たくさんの更新は今日ぐらいまでだと思います。多分… ですが、第一志望にははっきり言って二次では届かないことになりそうです… 後期の小論文で一発逆転を狙っていますが それもどうだか…。 明日検討しなければわかりませんが… でもこれ書いてるとストレス発散になるので、うーん。 なのでかなーり今複雑な心境であります 477. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/21(水) 00 08 36.64 ID o5i7fgAO ニッケル「しかし…私は総将には兄上が適任だと思っております…代われるのなら…今すぐにでも…」 とにかく…何か激励の言葉でもかけなければ 自身すら見失いそうだった アルゴン「ニッケル……お前もその年なら軍を率いる経験も必要だ。私ではなくお前が任命されたんだ、ちゃんとその任を全うして来い」 私ではなくお前……か 皮肉を言ったつもりはなかったが… ニッケル「は…はい!」 アルゴン「…そうだ、これを持って行け」 思いついたように脇差しを取り出し アルゴン「この短刀は母上の形見だ…。きっとお前を護ってくれるはずだ」 ニッケル「よ、よろしいのですか!?兄上」 アルゴン「あぁ構わない、次に会った時に返してくれればいいさ…その効用に驚いて欲しくなってもやらんがな」 ニッケル「あ…有り難く…!!では出陣の時刻なのでこれで」 モニア「ニッケル様…どうか御自重下さいませ…」 ニッケル「わかってるよモニア!」 タッタッタ モニア「ご武運を…」 遠のいてく弟が今生の別れのような気がしたのに気づくのは後のことであった 481. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/21(水) 09 57 51.58 ID o5i7fgAO アルゴン「……モニア、いつ決まった」 モニア「一昨日でございます…」 アルゴン「……ニッケルなら大丈夫さ。……総将がそんな易々と討ち取られるわけもない」 そう…何を心配しているんだ。 まだ死んだわけでもない。 でも…代われるのなら代わりたいさ 自分の方が総将の任を弟よりも遂行できるはず… でも父上はニッケルを総将にした 何かわけがあるんだ、そうさ、そうに違いない 深い訳が。 モニア「ですが…皇子まで…」 アルゴン「血を流すことなく城が手に入るなら喜んで出向いてやるさ…、それに…」 アルゴン「皇族を殺して奴らにメリットとなることはない、むしろ開城して併合されるほうが帝国との貿易もしやすくなる。ただ関税権はこちらが握ることになりそうだが」 モニア「そう…ですね、しかしご自重をするに越したことはありません」 アルゴン「あぁ、わかっているさ…。」 モニア「皇子……一つ、お伝えしておきたいことが御座います」 アルゴン「…?」 482. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/21(水) 10 07 51.99 ID o5i7fgAO モニア「私が、ニッケル様が危険だと申し上げたのにはわけがございます」 アルゴン「…なんだ」 モニア「先日、私め自らタンタル国に最後の勧告をしに王に謁見した時に―」 ―――――――― ザァーーーー… ガラガラガラガラ(馬車の音) モニア「雨足が酷くなりましたね」 供「昨日から降り続いているようです」 供「しかし、外交官ではなく直接王自らお会いになるのは、やはり六老臣様であるからでしょうな」 モニア「だといいわね…」 ガラガラガラガラ…バシャッ 供「着いたようです」 ガチャッ 兵士「モニア・カヴコール殿、お待ちしておりました。王がお待ちです」 483. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/21(水) 11 08 13.13 ID o5i7fgAO モニア「…………」 供「どうかなされましたか?」 モニア「…血の臭いがしない?」 供「いえ、特に何も感じませんが」 モニア(恐らくここで十人近く死んでるわね…それに、松明があるのに炎の光など掻き消すような深い暗さ…) ギギッ… 兵士「どうぞ中へ、地面がぬかるんでいるので足元にお気をつけください」 モニア「…勧告のための使者をここまで出迎えなさるなんて正直なところ意外でした」 兵士「我々は貴国とは違いますので…。…いや、今のはお忘れください」 モニア「……」 モニア(甲冑の胸辺りに大きな刺し傷のあと…みた所この位置でこの大きさの穴だと普通なら死んでいるはず…。出迎えの兵士の甲冑を壊れたままにしておくのは、我々に対する冒涜かそれとも…。それにみたところ城内の警備がほとんど手薄…) ツカツカツカ… 兵士「供の方はここまでです」 484. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/21(水) 12 33 54.16 ID o5i7fgAO 外交の使者はその国の内部の視察官と言っても過言ではなく 訪問先の国の兵隊や王宮内、臣下の言動・思慮の水準などありとあらゆることを見聞するのは各国では常識であり 使者を迎える国も権力や統制力、文化の誇示のために あらゆる礼節を尽くしや過剰な絢爛豪華な見せ物を用意するなど 自国の強固さを見せつけるのだが アボガドロとタンタルは事実上敵対国家であり まして、降伏せよとの勧告の使者など 普通ならば斬り捨てられることもあるだろう しかしあえて六老臣を最後通告の使者としたのは 現在のタンタル王は慈愛に熱く名君と名高い人物と評判であり使者を斬ることはないとふんだからであるのと 帝国側の配慮でもあった。 兵士「王宮内への武器弾薬の持ち込みは禁止です、この棚に所持している武器を置いてください」 モニア(ここでも2人ほど…、王宮で何かあったのか…) カチャ…カチャ モニア「これで全部です、護身用の短刀だけですが」 兵士「……わかりました…貴殿を信じて身体を調べるのはやめておきます」 兵士「では、どうぞ。こちらです」 485. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/21(水) 13 01 01.57 ID o5i7fgAO ガチャッ ……… 王宮内だというのに…なんて暗さだろう 中央の道に松明が定間隔で並び奥まで続いているが それはまるでこの世の闇への道標の如くあり 蝋燭の炎がホール中央に数十本無造作に置いてあっても まるで闇に吸い込まれるように 蝋燭としての役目を為していなかった 背筋に旋律が走った こんな不気味な気持ちになったのは初めてだ 畏怖… 視覚より感覚的なものがそう告げた 兵士「この奥が玉座の間でございます、では私はこれで…引き継ぎはリチューム様がいたします」 リチューム「お初にお目にかかります、リチュームと申します。王の側近を務めております、以後お見知り置きを…」 暗さでよく顔は見えないが 若いということはわかった しかし恐らくこれから完全に敵対する者に対してお見知り置きとは… モニア「モニア・カヴコールです」 手を差し出した リチューム「あ…すいません、私潔癖症なものでして…握手は控えさせて貰っておりまして…その、どうしてもと言うなら」 モニア「………ならば結構です」 何やら不快な男だ…。 リチューム「立ち話もなんですから、歩きながらにしましょう」 486. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/21(水) 13 19 25.93 ID o5i7fgAO スタスタスタ… モニア「一つ宜しいでしょうか」 リチューム「なんなりと」 モニア「どうして、このように王宮を暗くしているのでしょうか」 リチューム「…それは我が主タンタル王が王宮で使う燃料を少しでも城下の貧しい民に分け与えるためでございます、とても慈悲深く、情け深い…我が主君は誠の名君であります。決して蛮人の野心などには屈しません」 聞いた以上のことを喋るのか…こいつは… しかしこれは外聞向けの可能性もある。 モニア「それにしては、城下の灯りは少なかったように見えましたが」 リチューム「………」 数歩の間、沈黙が訪れた リチューム「まだ十分に行き渡っていないのでしょう、いずれ行き渡るようにしますのでご心配なく」 モニア「もう一つ…」 リチューム「どうぞ」 モニア「最近王宮内で何か争いでもあったのでしょうか、先程の扉の金具に血がついておりましたが」 リチュームのカンテラの光に照らされた顔が一瞬引きつったように見えた リチューム「いえ…何も。おおかた侍女が指を挟んで怪我でもしたのでしょう。申し訳ありません、不快なものをお見せしてしまい…」 モニア「いえ、構いません」 モニア(……血の臭いが濃くなってる…この男からも…) 488. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/21(水) 20 23 25.58 ID o5i7fgAO モニア「諄いようですがもう一つ」 リチューム「………」 モニア「僭越ながら、私は大国の使者として参上いたしました。貴国の王は客人や使者には心を尽くして迎えると耳に挟みましたが、このような陰鬱とした所に迎えるのがそちらの国の使者に対するもてなしですか」 リチューム「…………」 モニア「門前まで迎えにきてくださったのはよいとして、民のためとはゆえ死霊の館のような内装のままにしておくのはいささか理解しがたい物がございます。それに先程の血痕といい…つまり貴国の王の評判とは尾ひれにあらぬ魚が絡みついた程度のようなものでございましょうな」 少々傲慢とは言えこれは外交の上での弁舌戦である ここで挑発に乗ればその程度の臣、つまりその程度の国家であるということだ 王に謁見する前に相手の国の程度を知る いわば前哨戦 リチューム「では逆にお尋ねしたい」 キッ…… リチューム「どこの国に侵略者の使者を厚くもてなす国がありますか?」 リチューム「あなた達はタンタルの鉱山資源を奪うためにきたのでしょう、それに過去の一時、自分達の領土だったからと言って我が物顔で我々を見下すのは少々傲慢が過ぎますな」 489. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/21(水) 21 55 58.56 ID o5i7fgAO モニア(………冷や汗が止まらない…この男の纏う空気が…変わった…?) リチューム「あなたが何をしに来たか大体検討はつきます」 モニア「………」 リチューム「全てを奪われたくなければ速やかに軍門に下り我らの忠実な僕になれ…と、さしずめ言ったところでしょうか」 モニア「…我らも人の子です、軍を差し向ける前に全てを差し出せば誰も血を流したり、略奪したりはしないでしょうし、過去の遺恨も全て洗い流しましょう……」 リチューム「そう言って覇権国家に膝を折った者達の末路を我々が知らないとでも?」 モニア(………) モニア「その口で言えますか?あなたが仕える慈悲深き名君も近頃領土戦争に凝り出したようじゃないですか。やたらと隣国に出兵なさってますが?…あなた達もその覇権国家となんら変わりありませんよ」 リチューム「ふっ……ふはははははっ」 モニア「!?」 リチューム「これは失敬。確かにそうかもしれませんね。ですが…昔の版図を取り戻すためです…我が主君が世界を統べるために」 モニア「…!?…タンタルの最大版図はとうに越えているはずです。それに世界を統べるなどと…それでは…大昔の…」 リチューム「失礼…今のはお忘れください…私の戯れ言でございます」 490. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/21(水) 22 18 51.31 ID o5i7fgAO いや、今のこの男の目は戯れ言を言うような生やさしい目ではなかった。 隙あらば食らいつこうという目だ サッ リチューム「こちらが王の間でございます、粗相のなきよう…」 帝国の使者に向かって粗相のなきようとは… ガチャッ…ギィィィィ そのときモニアは見た 扉についた血痕が床にかすかに赤い曲線を描いてることを しかし動揺してはならない… 間の中を見回した 王の間であるにはあまりにも薄暗かった 左右に臣下とおぼしき者が数名と 奥間に座すのは恐らくタンタル王 ……タンタル王の横に立っているあの黒い大男はなんだろうか…? スタスタスタ…スタッ モニア「アボガドロ帝国六老臣モニア・カヴコール、コバルト皇帝から直々に使者として遣わされここに参りました」 タンタル王「ギギギギ……」 モニア「……!?」 タンタル王「そちが六老臣であるか」 薄明かりでよくは見えないが 黒い王衣を纏い髭を蓄えこの地方独特の貴金属をあしらった冠をかぶっている モニア「はい…早急ですが本題に入らせていただきます」 正直なところこの空間に長居はしたくなかった 横に並ぶ臣下はまるで息をしていないようでさながら蝋人形である 暗く底抜けの闇が天井に広がり 生者を飲み込まんとしているように感じられた それに……なんだ…… 血の臭いどころではない 死臭がする、そして獣の臭い 墓場ではないか…ここは… 491. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/21(水) 22 45 16.19 ID o5i7fgAO モニア「私は降伏を勧めに参りました」 王はかすれた息を大きく吸い タンタル王「そ、そなたで5人目でああるなな、よ、余はクドいものが嫌いじゃ」 モニア「帝は六老臣である私を直々に遣わすという最大限の誠意を見せました…名君と名高きタンタル王ならばその誠意汲めぬはずはないと思われますが、いかに…」 タンタル王は座したままピクリとも動かず口だけで答えた タンタル王「貴様等は自分達が世界で一番強いと思っておるのか?ただ椅子に座り血統の良し悪しのみでふんぞり返る者の指先一つで国が滅ぶのが強いと思っておるのか?」 モニア(いきなり……何を言って…) タンタル王「所詮降伏したところで再び迫害が始まるだけだ。100年前からの因縁はそう易々と消えるものではない!愚であり貪である、貴様等がのさばる時代はすでに幕引きだ!」 モニアは見つけてしまった… 後ろの大男の口に合わせて王の口が動いていることに タンタル王「これが我々の答えだ!!」 492. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/21(水) 23 32 29.94 ID o5i7fgAO その瞬間、間中央の松明に炎が灯され間全体をオレンジ色に染めた すると暗闇に覆われ見えなかった壁に吊されたものが… モニア「ひっ………」 さっきまでモニアに随行していた供達の無惨な死体であった ある者は目を抉られ耳と鼻を削がれ ある者は下半身が食いちぎられていた モニア「あ……あ……」 タンタル王「愚と貪の皇帝に伝えよ!来るならいつでもこいと!!いずれ貴様等の立ってる場所も我らの物になるであろう!!そして次からの使者は少々荒っぽく迎えるだろうとな!!ギチギチギチギチ!!!」 「ハーハハハハッ!!」 モニアは逃げた… 狂ってる…!なんだ…!あれは! 横に広間が見えた ザッザッザッ 「ギチギチギチギチ!」 モニア「はっ…はっ…魔族…!?城内にっ…!」 タッタッタ… 正面入り口まできた… そこにはさっきの若い男がいた リチューム「どうかしましたか?モニア殿…?」 モニア「はっ…はっ…お前達…一体…!」 リチューム「何かよくないものを見たようですね。…先程預かりました武器と、帰りの馬車でございます。どうぞ帰路お気をつけてお帰りくださいませ」 モニア「………!」 リチューム「……。あぁ申し訳ありません、供の方は―」 リチューム「お返しできませんので…」 あとで短刀の鞘から抜いてみるて人間の血と思しきものがべっとりとついてかたまっていた 493. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/22(木) 00 00 25.39 ID mYCiP6AO ―――――― モニア「そのあと皇帝にことの次第を伝えました所、酷く激昂いたしまして…即座に軍を起こされニッケル様を総将に任命したのです…」 アルゴン「………モニア…それが本当ならば、今タンタルで何が起こっている」 モニア「…王の身辺に病でも発生したか、王が精神的に乱れているか…いえ、そんなもので片付けられるものではありません…!あれは無機の威力でした、少なくとも人間の発するものではなかったと思います」 アルゴン「魔族……を見たんだな」 モニア「えぇ…でも見間違いかもしれません…何分自失しておりましたから」 アルゴン「わかった…、モニアが言うならば事実であろう。ニッケルには…」 モニア「いえ…申しておりません…とても…」 アルゴン「あぁ…言わなくていい、いらぬ不安を煽るだけだ」 しかし今から危険だからという根拠が薄い事実で 起こした軍を出陣前に解軍するのは不可能だ タンタルとの因縁なんてどうでもいい…ニッケル……無事に戻ってこい! そして、住民が見送る中、帝国軍約八万がタンタル国へ向け首都ベンゼンを出陣した 先鋒軍約三万と中軍二万、後軍三万 ニッケルは、先鋒軍にいた ニッケル「兄上……心配は無用です…父上も、見直してくれるはずです」 母の形見の短刀を懐にしまい 空を見上げた 雲一つない快晴であった 494. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/22(木) 13 19 10.58 ID mYCiP6AO アルゴン「モニア…弟に何かあればすぐに伝えてくれ……教えてくれてありがとう」 モニア「かしこまりました…しかし、任務も全うできず逃げ帰った私めにその言葉はあまりにもったいのうございます…」 アルゴンはこの雲一つない青空が 今から起きようという現実を 隠しているような…そんな気がした ――――――
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【Tags Miku daniwell tC N】 Original Music title ねこみみスイッチ English music title Cat s Ears Switch Romaji music title Neko Mimi Suicchi Music Lyrics written, Voice edited by daniwell Music arranged by daniwell Singer(s) 初音ミク (Hatsune Miku) Click here for the original Japanese Lyrics Romaji lyrics (transliterated by motokokusanagi2009): kimi to watashi de hyū↑ hyū↑ atsui kodō kizan dara kawaī neko mimi tsukete futari de goro goro shimasho natsui atsu dane fū→ fū→ senpūki no kaze abi tara ice ga tokete pota pota arara choppiri setsu nai ne neboke manako de uto uto teikyūbi no hiru sagari nemaki sugata de uro uro atsu atsu no amai kaori tetsubun mineral ira nai kedo nezame no caffein itsumo no koto "ohayō" aisatsu kawasu kimi no zujō ni neko mimi ne boketeru nosa kimi to watashi de nyā nyā neko mimi wa ryōshi rikigaku △×¥○@%&$#☆□! "ochi tsuke cafe au lait nomō" memory busoku de ata futa atama ga overflow suru jūichi jigen no scale uchū no shinpi ga kasoku suru yume ka utsutsu ka maboroshi natsu bate sasou taiyō kodomo mitai na egao de mitsumeru saki ni himawari neko mimi sugata ga niau kimi no yoko gao ah kura kura suru tatoeba hi kagaku teki na koto mo shinjite shimau yūgure doki niwa kimi to watashi de fura fura sukasazu katate tsunai dara futari no sōjō kōka de sekai ga dōten shiteru orange iro no kumoma ni shima shima moyō no kōsen atama no ue de pika pika ichiban boshi to niban boshi manatsu no yoru no tobari ga oriru koro ni kimi to watashi de mitsuketa nazo meita kīro i switch tameshi ni oshita dakedo chikyū hōkai datoka okoru hazu nai ne dakara anshin shite oyasumi kimi to watashi de hyū↑ hyū↑ atsui kodō kizan dara kawaī neko mimi tsukete futari de goro goro shima sho natsui atsu dane fū→ fū→ senpūki no kaze abi tara ice ga tokete pota pota arara choppiri setsu nai ne [daniwellP, daniwell-P]
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【Tags Miku R tR doriko】 Original Music Title ロミオとシンデレラ Romeo and Cinderella (Romio to Shinderera) Music Lyrics written, Voice edited by doriko Singer 初音ミク (Hatsune Miku) Fanmade Promotional Videos Click here for the Japanese Lyrics English Lyrics (translated by TeamMikuHatsune): Don t let my romance become Juliet in a tragedy Take me out of here... That s what I m feeling like Goodnight, dad and mom At least you should enjoy your dreams it s high time adults went to bed Enchanting choking caramel I cross my naked legs shyly How farther we ll go tonight? Don t bite me, go easy I don t like bitter things yet It s because of mom s cakes I d always been eating If something is unknown, you may well be curious about that Show me everything Only you ll see my... I ve been longing just like Cinderella I ll run away with nothing but my uniform May the magic stop the time before the villains bother us I want to run away just like Juliet But don t call me with that name Yes we re to be bound Or it would be too boring Honey, you re going to live with me? I d applied a little flashy mascara I promise to become a good girl tomorrow Forgive me this time The borderline of the black lace, Nobody secures it today, How far we re going beyond it? So hard that I bit you, So hard that it hurts, I m in love with you But Dad seems to hate you, though You gave me a hand holding a collar for me Take me away my Romeo So far that they rebuke us The bell sounds just like Cinderella I ll leave my GLASS Shoe So find me soon Before my bad dream annoys me Surely she did the same thing She lied that she dropped it accidentally Yes, I ll do the same I want to endear myself to him See, I m here Would you try looking into my heart? It s filled with desire, isn t it? But it s not enough, stuff more into it So hard that you cannot be there anymore, maybe? But that wouldn t make sense Happiness seems to be stored in the small box, rather than the larger one What should I do? Something should be done or I ll let you down But greedy dad and mom are living usual life Yes, I ll accept my nature "The golden axe is what I ve lost" Cinderella who had told too much lies Is said to have been eaten by the wolf What should I do? Something should be done Or I ll be eaten Please save me before that Romaji lyrics (transliterated by managarmr): Watashi no koi wo higeki no JULIET ni shinaide Koko kara tsuredashite… Sonna kibun yo PAPA to MAMA ni oyasuminasai Seizei ii yume wo minasai Otona ha mou neru jikan yo Musekaeru miwaku no CARAMEL Hajirai no suashi wo karameru Konya ha doko made ikeruno? Kamitsukanaide yasashikushite Nigaimono ha mada kirainano MAMA no tsukuru okashi bakari tabetaseine Shiranai koto ga aru no naraba Shiritai to omou futsuu deshou? Zenbu misete yo Anata ni naraba misete ageru watashi no... Zutto koishikute CINDERELLA Seifuku dake de kaketeikuwa Mahou yo jikan wo tomete yo Warui hito ni jamasarechauwa Nigedashitai no JULIET Demo sono namae de yobanaide Sou yo ne musubarenakuchane Sou janai to tanoshikunaiwa Nee watashi to ikitekureru? Senobi wo shita nagai MASCARA Iiko ni naru yo kitto asu kara Ima dake watashi wo yurushite Kuroi LACE no kyoukaisen Mamoru hito ha kyou ha imasen Koetara doko made ikeruno? Kamitsuku hodo ni itai hodo ni Suki ni natteta no ha watashi desho PAPA ha demone anata no koto kirai mitai Watashi no tame to sashidasu te ni Nigitteru sore ha kubiwa desho Tsuredashite yo watashi no ROMEO Shikarareru hodo tooku he Kane ga narehibiku CINDERELLA GLASS no kutsu ha oite ikuwa Dakara ne hayaku mitsukete ne Warui yume ni jirasarechauwa Kitto ano ko mo soudatta Otoshita nante uso wo tsuita Sou yo ne watashi mo onaji yo Datte motto aisaretaiwa Hora watashi ha koko ni iru yo Watashi no kokoro sotto nozuitemimasenka? Hoshii mono dake afurekaetteimasenka Mada betsuhara yo motto motto gyuutto tsumekomunde Isso anata no ibasho made mo umeteshimaouka Demo soreja imi nai no Ooki na hako yori chiisana hako ni shiawase ha aru rashii Doushiyo kono mama ja watashi ha Anata ni kirawarechauwa Demo watashi yori yokubari na PAPA to MAMA ha kyou mo kawarazu Sou yo ne sunao de ii no ne Otoshita no ha kin no ono deshita Usotsukisugita CINDERELLA Ookami ni taberareta rashii Doushiyou kono mama ja watashi mo Itsuka ha taberarechauwa Sono mae ni tasuke ni kite ne
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495. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/22(木) 13 34 46.18 ID mYCiP6AO 宮殿から隊列が群を為して南へ向かうのが見えた アルゴン「モニア…弟に何かあればすぐに伝えてくれ……。教えてくれて感謝する」 モニア「かしこまりました…しかし、任務も全うできず逃げ帰った私めにその言葉はあまりにもったいのうございます…」 アルゴン「…………」 アルゴンはこの雲一つない青空が 今から起きようという現実を 見えなくしているような…そんな気がした… ―――――― ○城内の茶店 オゾン「17ぁっ!?」 クロム「声が大きいです…」 オゾン「何食べてたらそんな小さくなるのさ…?」 クロム「さぁ…でも、私生活では問題ありませんから」 オゾン「問題ありありだって!さらわれちゃうよ、こわーいおっさんに!僕が言うのもなんだけど、その方面の趣味の方が黙っちゃいないと思うぜ…その容姿は」 クロム「問題ありません、すでに何人も返り討ちにしてますし、一般人にやられるようでは皇子の魔法使人は務まりませんから」 オゾン「へぇ〜……ま、いいんだけどさ」 ズズッ… オゾン「…うまいなこれ」 496. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/22(木) 14 10 10.50 ID mYCiP6AO オゾン「…あいつに仕えてみてどうだい?」 クロム「……。」 オゾン(あ…) オゾン「あぁ!ごめんごめん、アルゴン様ね」 クロム「…とても温かい方です…私のような者にさえ気を使ってくださったり、民の事をいつも考えていたり…それに…」 オゾン「それに…?」 平静を装っているが、耳が紅潮するのを見逃さなかった! オゾン(ははーん…) アルゴン「こんなところにいたのか」 オゾン「おわっ!!?」 アルゴン「?…クロム、さっきの話、ここで構わないか?」 クロム「…は、はい」 クロムの耳はいつも通りになっていた。 アルゴン「ハロゲンが併合を申し出てきた」 オゾン・クロム「!?」 オゾン「こいつは驚いたね、利権にしがみついた頑固者達だと思ってたけど」 アルゴン「そして開城の代わりに皇族が出向き群護人を*市政者から選任することを要求してきた」 *ハロゲン市の自治集団、主にハロゲンの大商人で構成されている クロム「…つまり、皇子がその命を受けて私に魔法使人として従軍を…」 アルゴン「その通りだ」 オゾン(回転はえー…) クロム「もちろんお受けいたします。しかし…」 オゾン「ニッケルもタンタルへ出陣したし、前妻の兄弟を首都から引き離してそのままアルキンを正統後継者にしようって魂胆じゃないの?」 アルゴン「…………」 オゾン「または…外征先で消すか」 アルゴン「父上はそんなことをする方ではない!!」 オゾン「あ………ごめん…言い過ぎた…」 497. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/22(木) 16 57 10.42 ID mYCiP6AO どうしてかその時のアルゴンには腹立たしかった 実の息子を[ピーーー]はずがない… でも、あの父ならありえなくない… 幻想 かもしれない 最後の一言も 嘘 かもしれない でも、信じたかった嬉しかった わからない…わからないんだ オゾン「じょ、じょーだんだよ!でもさ…念の為に注意は怠らないほうがいい…」 アルゴン「……わかってる…怒鳴ってすまなかった」 アルゴン「………クロム…三日後の朝出立する、用意をしておけ」 クロム「は…はい!」 アルゴン「それとオゾン」 オゾン「なんだい?」 アルゴン「ハロゲンで何かあったら準備をしておいてくれ」 オゾン「準備…?」 アルゴン「わかるだろ?」 オゾン「あー……了解了解」 三日後 わずかな者達が見送る中 アルゴン率いる1500騎が 朝の冷たい空気の中 ハロゲン市へ向け出発した 500. 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/01/22(木) 19 05 29.20 ID I9modMY0 そういや魔族が魔法使人に孕ませたらその子供はどっちになるんだ? まさかちょ(ry おっと誰か来たようだ 501. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/22(木) 19 09 07.25 ID mYCiP6AO ―――――― ハロゲン市 城外 クロム「…ここにいらっしゃいましたか」 アルゴン「………」 アルゴンがいたのは死んだ兵士や市民を集団埋葬する仮墓地 戦争で死んだ数千の死体はとても埋めきれるものではなく まだそこら中に積み上げられ 水を含んだ死体は腐敗し 悪臭を放っていた 本来は燃やすべきなのだが 死体の湿気が燃焼を妨げていた… アルゴン「ニッケルも…」 クロム「……」 アルゴン「ニッケルも…こうなったのか」 クロム「……情報が事実ならば…私も間違いだと信じたいです」 アルゴン「部下も大勢死んだ…そして敵も…城下の人間も……」 クロム「………」 アルゴン「これが私のせいだとしたら、これからもこのようなことになるのか?」 クロム「……わかりません…」 一人で穴を埋めるアルゴンは あまりにも悲哀に満ちていた 自分が今回の戦争で失った全ての命を背負おうとしているかのようだ… クロム「ですが…皇子は一国の皇子!このようなことで毎回悔やんでおられては皆が迷ってしまいます!ここは―」 アルゴン「わかってる…わかってるさ…ただ、救えた者を救えなかったというのは…私も……いや、よそう。クロム、この土を埋めたら行くから先に行っていてくれ」 502. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/22(木) 19 11 39.09 ID mYCiP6AO 500 おっと、それについてはおいおい説明します 503. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/22(木) 19 42 32.18 ID mYCiP6AO クロム「…わかりました…お急ぎください…皇子」 アルゴン「………」 ザクッ…ドサッ… ザクッ…ドサッ… 父上…あなたは……やはり…… 我々を[ FONT color=#00ed0 ピーーー /FONT ]ために…… だとしたら…あなたは… やってはならないことをした あなたを許さない… 私も…ただ黙っているつもりはない 私は…母上…を得た… ――――――― 女「どうしよう…このままベンゼンまで徒歩…?」 リン「馬がもう余ってないんじゃしょうがないわね…誰かのを頂こうかしら」 男「リンさん、いくらなんでも泥棒はまずいですよ」 とは言っても…乗り物なしじゃきついよなぁ…… ん…?小さな女の子… 子供「あの…」 女「ん?どうしたの?」 子供「お父さんを…看病してくれて…あ、ありがとう…」 おそらく女が戦争中に怪我人の安置室にいたとき 看病していたうちの一人の子供であろう 服のいたるところが破け血がついていた 女「あ…あぁ…お父さん大丈夫だった?」 子供「死んじゃった…昨日…」 少女の目はずっと泣いたのであろうか 赤くなっていた 女「………ごめんね…助けられなくて…」 男・リン「…………」 505. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/22(木) 20 06 06.79 ID mYCiP6AO 女「…お名前は?私は女」 マリィ「マリィ……」 女「マリィ…ごめんなさい…」 と言ってマリィを抱きしめた リン「わたしに何も言う権利はないけどあなたは頑張ってた、あれ以上は無理よ、あまり自分を責めちゃダメよ」 女は泣いていた マリィ「お姉ちゃん…私はもういっぱい泣いたから大丈夫だよ」 マリィ「お父さん…最期にお姉ちゃんにすっごい感謝してたの…、あんなに人がいっぱいいたのに一生懸命お父さんを看てくれて…」 女「………」 マリィ「それでね…お母さんがお返しにって…」 後ろから女性がのった荷台つきの馬車がきた。 こちらを向くと会釈して マリィ母「夫がお世話になりました…。これからベンゼンに向かうとお聞きしたので、これしかお礼にできるものはありませんが…」 506. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/22(木) 21 40 32.04 ID mYCiP6AO 馬二頭と黒い簡素な荷台を繋ぐいたってシンプルな馬車である 毛並みがそろい鍛え抜かれ引き締まった馬脚 立派な馬だ… 素人目にも素晴らしい馬だとわかる。 マリィ母「うちの夫はね運送屋をやってたから、馬に関しては飛びきりうるさくてねぇ…、自分で大事に育ててたの…。あなたに使ってもらえるならきっとあの人も喜ぶと思うわ」 女「そ、そんな大事なものいただけません…!」 マリィ母「いいのよ、まだ三頭いるから。それに…長旅なんでしょう?」 マリィ「わたしもお姉ちゃんに使ってほしい!」 女「……わかりました…ありがたく使わせてもらいます」 泣いた目をこすりながら マリィを向いて言った 女「…マリィちゃん強いのね、私なんかお父さんいなくなっちゃったとき3日も泣きっぱなしだったの…、あなたはお姉ちゃんより強いから……辛いときがあっても大丈夫!」 マリィ「うん!大丈夫!」 そして、さりげなくマリィの手におまじないを書いた 女「これは…お礼ね」 マリィ「……?」 マリィの母に再三お礼をいい私達は集合場所に向かった 一人の少女が何故あそこまで強くなれるのだろう 罪悪感と自責の念が心の中に渦巻く 自分がもう少しでも頑張ればまだ助けられた命があったかもしれない 悲しむ人が減ったかもしれない あの状況でもそれを考えられたなら… 男「渡りに馬っていったとこかな」 リン「私が前に乗るわね」 女「…………」 507. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/22(木) 21 53 54.67 ID mYCiP6AO {ザクッ… アルゴン「ふぅ……」 アルゴン「行くか……」 ――――――― クロム「皇子が食糧と弾薬と軍資金をそちらに寄付するそうです」 市政者「これは…感謝いたします……、それで群護太守の件ですが…」 クロム「皇子が中央から臨時に仮群護人を呼んだのであとはその方の指示に従ってください」 市政者「そ、それでは…要求と違…」 クロム「ならば我々を[ FONT color=#00ed0 ピーーー /FONT ]なり煮るなりお好きにしてください。この要求は市長のほぼ独断だとお聞きしております…あなたも…そうなのですか?」 スチャッ(後ろの兵士が武器を構える) 市政者「は…はは…いやだなぁ…違いますよ」 クロム「ならばあなた達の蔵に大切にしまってある金銀財宝を少しは街の復興に役立てたらどうです?」 市政者「は……ははは」 クロム「街を守りきれなかったことはまた改めて謝罪に来ます」 br() br()スタスタスタ… br() br()アルゴン「………」 br() br()クロム「皇子…」 br()} 509. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/22(木) 22 35 11.27 ID mYCiP6AO 市政者の前に立つと 何を思ったが頭を下げ アルゴン「すまなかった…!!」 クロム「!!?」 市政者「え…あ…!?」 兵士「!!!」 市政者「頭をおあげください!」 クロム「何をやっておられるのですか!?」 兵士達の間に動揺が走った。 主君が…帝国の皇子が頭を下げたのだ! あり得るわけがない、あってはならない! アルゴン「私の…失態で多くの人命が奪われた…すまない…」 クロム「皇子!!何を考えてるんですか!?例え皇子に全ての責任があっても頭を下げるなんてことをしてはいけません!!」 市政者「…アルゴン皇子を責める者などいませんよ、むしろ守り抜いて貰ってみな感謝しておるくらいです……」 アルゴン「………」 市政者「今のは見なかったことにしますので…どうかお顔をあげください」 アルゴン「…………」 数秒頭を垂れたままだったが ゆっくり姿勢を元に戻した その顔に何か決意めいたものが見えたのに気づいたのはクロムのみであろうか 511. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/23(金) 00 40 29.60 ID H6S1eEAO そのあと、アルゴンは市政者に事後処理などを伝達し、ハロゲンをあとにした。 ベンゼンを出たときとは比べものにならない人達がアルゴンの背に声援を送った。 アルゴンは複雑だった。が、どこかで感じたことのあるこの高翌揚感…安心感… しかし、思い出せないでいた… これは…どこか負の感情を秘めているような気がしたからかもしれない パカパカ… アルゴン「クロム……すまなかったな…」 クロム「皇子……あなたというお方は……先に謝っておきます。ほんとうに…ほんとうに…バカです!」 アルゴン「バカでいいさ…今は……」 ―――――― ガラガラガラ ボーー… 女「………」 リン「女ちゃん…いったいどうしちゃったの?」 男「さぁ…さっきからこの調子だけど…、おぉーい」 ブンブン(顔の前で手を振る) リン「いい加減あきらめないと、先に進めないわよ?頑張ってたんだからそれでいいじゃない。それ以上を求めるのは新たな後悔を招くだけじゃないかしら」 女「………」 女「………男君……私達…初めて会ったときどんなんだったっけ…?」 男「なんだ?いきなり?うーん……あんま覚えてないなぁ」 女「私は少し思い出してきた…」 ――――――― 約二年前―ケトン国 郊外(地図参照) 女「えぃっ!!」 513. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/23(金) 12 55 14.61 ID H6S1eEAO ボワッ…! ヘリュウ「うおっ!さすがは我が娘だっ!ハッハッハ!」 女、14歳 ヘリュウは女の父 ケトン国に仕える数少ない男性の魔法使人 今行っているのは、術者を中心に対角線上に掲げられた紙を同時に燃やす訓練である ※基本的に*対象魔法とは一方に対して放たれることが最も効果的であり簡単である *対象に向けての魔法 故に、対角線や多方向に多数存在する対象に対しては 威力が弱まるか、術者の力量によっては失敗することがある ちなみに、自分の正面で一方方向かつ一点集中のとき その魔法は最大(術者の魔力?100%)の効果をもたらす 拡散も可能であるが、もちろん 拡散の大きさに比例して威力は弱まる 一番困難とされるのは全方位攻撃だが それはまた今度にしよう 魔法使人入門編「対象魔法」より 514. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/23(金) 16 18 27.24 ID H6S1eEAO 513 「さすがは我が娘だ」× 「さすがは俺の娘だ」○ 我がじゃなんかあれだもんね… 515. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/23(金) 16 47 08.54 ID H6S1eEAO 女「やったー!お父さんの修行のおかげだねっ!」 ヘリュウ「嬉しいこといってくれるじゃねーの!このこのっ!」 女「えへへへ…」 ヘリュウ「こりゃあ将来大魔法使人になっちまうかもなぁ!よっし今日は一通りの呪文を覚えたご褒美に俺が晩飯を作ってやるよ!好きなもの食わしてやるっ!」 女「ほんとっ!?」 ヘリュウ「あぁほんとうだとも」 女「じゃああれ!あれがいい!ご飯をカリカリまで焼いて餡掛けのせたやつ!」 ヘリュウ「わーった!わーった!」 ポツポツ… ゴゴゴゴゴ… ヘリュウ「雨…?こりゃあ嵐になりそうだな…女、道具まとめて家に戻るぞ!」 女「はーい!」 ヘリュウ「…………」 ヘリュウ「…………嫌な色の雲だ…」 あの頃は あらゆるものが魅力的に見えて 世界の全てが愛しくみえた だが、現実は全てを奪った まるで最初からなかったみたいに… ――――――― ザァーーー… 516. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/23(金) 17 06 18.03 ID H6S1eEAO ヘリュウ(まずいな…どんどん風が強くなってやがる…) 女「お父さんのお料理おいしー!」 ヘリュウ「だろー?ナトリー、窓ちゃんと全部閉めてあるか?」 ナトリーは女の母 ケトン国王女の侍女として仕えている とても温厚で聡明な母… 女はとても大好きだった ナトリー「大丈夫よ。ウフフ、18までで使える呪文を全部マスターしたんですって?」 女「うん!」 ヘリュウ「すごいだろ〜」 ナトリー「なら、ケトンの魔法使人任用試験を受けさせてみたら?」 ヘリュウ「ばっか、こーんな田舎国の魔法使人で終わる珠じゃねぇよ、うちの娘はっ」 ナトリー「へぇーどうするの?」 ヘリュウ「…もう少し鍛えたらアボガドロに仕官させる!」 ナトリー「本気なの?あなた、あそこの倍率すごいわよ?全国から秀才とか神童と呼ばれてる人が何千と受験してその中でたった数人しか受からないっていうじゃない」 ヘリュウ「大丈夫だよ大丈夫!なんたって俺の娘だからな」 517. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/23(金) 21 00 47.30 ID H6S1eEAO ナトリー「もう、あなたったら…」 ヘリュウ「ハッハッハ」 女「ハッハッハ」 ザァァァァァッー… ガタッガタッ… ヘリュウ「ナトリー、やっぱり少し外を見てくるよ」 ナトリー「あ、気をつけて――」 ピシャァァァッン!!ガガガガッ 女「きゃぁっ!」 雷鳴があたり一面に怒号のように響いた ヘリュウ「ち、近いぞ!」 ドンドンドン…!(ドアを叩く音) ヘリュウ「…!?」 こんな嵐の中に…誰だ 家族に一瞬の緊張が走った 最近魔法使人が襲われる話を聞いていたからだ。 さすがは使人、すぐに臨戦態勢に入った、が ???「わしじゃ〜開けてくだされ」 518. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/23(金) 21 32 34.09 ID H6S1eEAO ヘリュウ「そのお声は…*ケイ導師」 *第一章の導師 ガチャッ ヘリュウ「どうしたのですかこんな嵐の中」 ケイ「いや〜びしょ濡れじゃわい。すまんが少し火に当たらしてもらえんか?話はそれからじゃ」 ナトリー「ど、どうぞ、こちらに…」 その魔導師は暖炉の前まで行くと腰を下ろしてため息混じりにぶつぶつ言うと、暖炉の火が一気に燃え上がった 間違いなく魔法使人だ! 女の好奇心はその、魔導師にありきたりな魔導服を纏った老人に注がれた 深く刻まれた手の皺 今まで何を見てきたのだろうかという穏やかな瞳 蓄えた白髭 女はぼーっとみとれていた ケイ「うお〜さむいさむい…ん?おおっ、君は女ちゃんじゃな?大きくなったのお」 女「おじいさんと会ったことあったっけ?」 ケイ「そうかぁ…君は小さかったからのぉ、覚えておらんのも無理はないわい」 ナトリー「導師、毛布です」 ケイ「あ〜心配ご無用、話が終わったらすぐに出て行きますから」 ヘリュウ「それでなんですかお話とは?」 ケイはナトリーに目配せした ナトリー「あっ…女ちゃんは隣の部屋で遊んでて」 女「はーい」 519. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/23(金) 22 01 59.09 ID H6S1eEAO バタン… 女「…………」 女(…私はもう子供じゃないんだから!) このままじゃ面白くないと思った女は 丁度壁に隙間が空いているところに耳をあて隣の部屋の声を聞こうとした。 雨の音が邪魔だけどかすかに話し声が聞こえる… ケイ「ふぅ〜それにしても…すぐ大きくなってしまったのぉ〜」 ナトリー「育ち盛りですから」 ケイ「まぁ、本題に入ろうかの……この付近で魔法使人が殺害された」 ピシャァァァッン!!ゴゴゴゴゴ… ケイは古めかしい地図を取り出し指をさした ケイ「昨日ケトン国の首都で魔法使人が3人殺された、どれも爪を剥がれ、顔の皮膚も剥がれとった…おそらく拷問されたんじゃろう」 ヘリュウ「………」 そして地図をなぞりながら ケイ「何を探っとるのかはわからんが、一連の魔法使人殺害と同一人物じゃろう…、それで殺害された場所を辿ってくとじゃな、この付近に来る可能性がある」 ヘリュウ「それを教えにきてくれたのかい?」 ケイ「そうじゃ、付近の魔法使人の家にも回って避難を呼びかけておる」 ナトリー「何かうつ手はないのですか?これではやられっぱなしではないですか」 ケイ「…………ここだけの話しじゃがな……あの大魔法使人が動かれたのじゃ」 ヘリュウ「ほんとうか!?」 ケイ「他言してはならんぞ」 ―――――― 女(大魔法使人…) ―――――― 520. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/24(土) 00 56 16.10 ID 6RA2iEAO ヘリュウ「大魔法使人が直々に動いたなら解決は早そうだな。……で、そいつはなにもんなんです?単独犯、それとも複数?」 ケイ「今んところは詳しいことは分からんが、それなりの腕を持った使人が何人もやられておるからなかなかの手練れじゃろ。それに、これは複数犯の可能性は薄いじゃろなぁ、複数なら目撃されとってもいいはずじゃ」 ケイ「目的も依然不明じゃが、魔法使人に相当な怨恨があるとみえる。拷問をしとるということは何かを探しておるのか、はたまた趣味か……情報が少なすぎじゃわい」 ナトリー「怖いですね…」 ケイ「とりあえず、すぐに荷物をまとめて西へ向かってくだされ、他の使人達との合流場所を用意しておる」 ヘリュウ「わかりました、すぐに準備し――」 ガラガラガラ…!!ドーーーーン!! ケイ「!」 ヘリュウ「!!」 彼等が反応したのはすぐ近くに落ちた雷ではない 異様な気配… 嵐でかき消されてはいるが確実に家の外に何かが存在している それも途轍もない何かが それは、女も感じていた 使人としてというより第六感的なものだろう 女(………なに…やだ……嫌な感じ……) ヘリュウ「導師…連れがいるのか」 ケイ「まさか…わしは単独行動じゃ」 ヘリュウ「じゃあ家の外で突っ立ってるのはなんだ」 ケイ「………最悪じゃの…」 ヘリュウ「ナトリー、女を連れて地下に隠れてろ。いいな、絶対にでるな」 521. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/24(土) 15 20 33.01 ID 6RA2iEAO ナトリーが部屋を出るのを見ると すぐに入り口のドアを睨んだ ヘリュウ「導師…もしや後をつけられたんじゃ?」 ケイ「気をつけてきたつもりじゃが…もしそうならすまんのぉ…」 ヘリュウ「…何体いると思います?」 ケイ「おそらく…五体と術者が一人じゃな……魔族使いかの」 ヘリュウは自分の感覚を研ぎ澄まし状況を見据え この場でどう動くのが最良か模索した そして… ヘリュウ「守る戦いは得意ですか…導師?」 ケイ「………慣れとるよ」 この速決した判断はそれなりの実力を持った魔法使人であるからだろう 瞬時に敵との力量の差を察知し 自分の置かれた状況と、最善の行動を理解した しかし、その最善の行動すら 場合によっては死ぬ可能性があるものだった ――――――― ガチャッ ナトリー「女ちゃん!ここは危ないから地下室に…―」 部屋を見回したが女はいない… …足元を見ると部屋の入り口に女が横たわって震えていた ナトリー「ど、どうしたの!?大丈夫!?」 女「……怖い…なにかとても恐いの…」 ナトリー「お父さんと導師様がいるから大丈夫よ…さぁお母さんと安全なところに」 女「う…うん…」 522. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/24(土) 15 51 20.14 ID 6RA2iEAO コンコンコン… 雨音混じりに響くこの無機質な木音は不気味さを通りこして恐怖だった ヘリュウは相手の情報を少しでも探るためと ノックをしてきた相手への返答として聞いた ヘリュウ「どなたですか」 「……………」 答えはない ただ恐怖を煽るためなのか… もう一度聞いた ヘリュウ「こんな嵐の中誰ですか」 数秒のあと ドアの向こうから若い男の声ではっきりと聞こえた 「あれはどこだ」 また数秒、間があく なんのことだ…? 導師も首を傾げるだけだ 523. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/24(土) 17 11 09.07 ID 6RA2iEAO そしてまた 「あれはどこだ」 心当たりはない…一体何のことだ…?意味のない言葉で相手を油断させるにも意味不明すぎる と、その時… 「きゃぁぁぁぁ!!」 地下から悲鳴が聞こえた! ヘリュウ(ナトリー!?) ドスン!! ドアが打ち破られた そこには、黒いゴツゴツした鎧を纏い能面的な鉄仮面をつけた大男がいた 部屋の中を見回し、また 「あれをどこへやった」 ケイ「貴様の目的はなんじゃ!一連の魔法使人殺害は貴様じゃろう!」 「…………」 無表情の仮面の奥で口元が歪んだ 「魔法使人…か…奴らのせいで統一世界の実現が……実現が………」 ヘリュウ(統一世界…?何を言ってるんだこいつは!?) 524. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/24(土) 20 21 21.95 ID 6RA2iEAO 「奴らをこの世から抹消し、せかいを…統べねばならぬ……言わぬなら……吐かせる…までだ…」 ダッ!! ヘリュウ(はっ…速い…!!) ――――――― 地下室の中には先客がいた 暗闇の中に浮かぶ青い目が4つ ナトリー「あ……あ……」 魔族1「……雌2匹、片方はガキだぜ」 魔族2「ギッギッギ…喰う前にヤっちまうか…ギギギッ」 魔族1「じゃー俺ガキのほう!ギギギッ」 ナトリー「女!後ろに下がってて…!」 女「お…お母さん…」 魔族1「ギギギッ…親子愛ってかぁ?…すぐに何も考えられなくしてやるぜぇ」 その時女は初めて魔族を見た 人間とは似て非なるその形その思考 14歳の少女にはこの現実は受け入れがたかった さっきまで家族で楽しく夕食を食べていたのに… どうして… ナトリー「わ、私も魔法使人の端くれです…防御陣ぐらいなら…!」 ナトリーはエプロンポケットから小瓶を取り出し中に入った聖水を床に撒いて呪文を唱えた すると青く光る螺旋状の線が2人の周りを囲んだ 魔族2「ギギギッ…そんなものでいつまで防げるのかなぁ?……ん?」 螺旋状の線が包んだのは女一人だった 525. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/25(日) 00 18 54.76 ID ZCWmvkAO {ナトリー「女ちゃん…これであなたは大丈夫なはず…」 この防御陣は広範囲、守る物体の数、媒とした聖水の量、効力により 持続時間、対物理攻撃力、対魔力が増減する br()よって少しでもナトリーは女を守るために br()守る対象を少なくした br()それは2人を守りきれることに確信が持てないのと br()少しでも女に危害が加わる可能性を減らすためであった br()とっさの判断のため、まだ方法があったかもしれないが br()女の安全を一番に考えた方法だった br() br()魔族1「娘を生かすために自分を犠牲にするたぁ…ギギギッ」 br() br()ナトリーは貯蔵していた薪を手に取った br() br()魔族2「それで戦うのか、なめんじゃねぇぞ」 br() br()女「お母さん…!ダメだよ!そんなのやだよ!!」 br() br()ナトリー「早く!いまのうちに外へ出なさい!!裏口から出てそのまま止まらず走って!!」 br() br()女「………ヤダ…!ヤダぁっ!!」 br() br()ナトリー「お母さんは大丈夫だから早く!!」 br() br()温厚なお母さんが今まで見せたことないほど顔が怒っていた br()このまま出て行ったらどうなるんだろう br()お母さんがいなくなっちゃう… br()そんなのヤダ…! br()でも…恐い!逃げたい! br() br()いつの間にか足は階段をかけあがっていた br()つまずくことなく… br() br()ナトリー(……ヘリュウ…ごめんなさい…) br() br()ナトリーは薪をその場に捨て立ち尽くした… br()闇の中に押し倒され br()服を引き裂かれ、辱められた br()声を出すわけにはいかない br()女が振り返らないために… br()} 526. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/25(日) 00 35 12.59 ID ZCWmvkAO 裏口から出るには台所を通らなくてはならない 女「はぁっ…はぁっ…」 少し動いただけなのに息がきれそうだった 恐怖と悲しみが疲労となって極限まで体にのしかかる ヘリュウ「ぐぁぁっ…!!」 女(お父さん…!!) 自然と足は父がいる居間へと向かっていた 居間を覗くと 血だらけの父が大男に首を掴まれ持ち上げられていた その側にはさっきまでの食卓の上に横たわっているケイ導師 女の受けたショックはどれほどだろうか… 10歳と少しの少女にはあまりに刺激が強い光景だった ヘリュウ「な……なんなんだお前は……!?」 「……死ぬ前に教えてやろう……」 「世界を統べる者だ」 女(世界を統べる者…!!) ヘリュウ「……かはっ……千年も前に死んだやつがなぜここに……ぐっ」 世界を統べる者「答える義務はない」 バキッ ヘリュウの首はいとも簡単にへし折られ その場に崩れ落ちた 親の死ぬ音を聞いてしまった 女「うぁ…あ……あ……や……やぁ……」 あまりの恐怖を目前に 言葉が出なかった 527. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/25(日) 00 52 33.25 ID ZCWmvkAO あまりに理不尽な暴力 なにもしていないのに ただここで暮らしていただけなのに 大男はこちらに気付いた 仮面の隙間から見える顔がほくそ笑んでいる 「……見つけたぞ……」 「クハハハハッ」 動けない…圧倒的な恐怖に呑まれ 体が金縛りにあったようだ 「我が悲願………成れり!」 ケイ「…*ベリュサ!!!」 *強力な閃光で敵の視覚を一時的に奪う バシュッ! 「うっ…!!」 目をあけた時には2人消えていた 「…内臓を潰したつもりだったがまだ動けたか」 ――――――― ザァァァァー! ○女の家から300mほど離れた地点 女「あ……あ………あ…」 ケイ「だ、大丈夫かい?」 女「お、お父さんが…!お母さんももた助けなきゃ…!!」 ケイ「いいかい、よく聞くんじゃ」 ケイ「今から君を異世界に飛ばす!それから君の今の記憶を弱める!今のわしにできることはそれだけじゃ!」 ザァァァァー! ピシャァァン! 導師が女の頭に手を当て 呪文を唱えた ケイ「これは完全ではない、だが少しはマシになったはずじゃ」 女「導師様……何が……」 導師は答えず 雨に濡れた土に魔法陣を書き始めた 528. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/25(日) 01 14 53.25 ID ZCWmvkAO ケイ「こちらの世界とあちらの世界を繋ぐ、君はあちらの世界の住人になるんじゃ!」 女「あちらの世界…?」 ケイ「科学文明が発達した世界じゃ、居心地は悪いかもしれんが我慢しておくれ」 魔法陣を書き終え 土に手を付きまた呪文を唱え始めた ケイ「ちぃっ…!もうきづきおったか…!!」 女「私…どうすれば…?」 ケイ「当面はその世界の住人として住んでおればよい!ほとぼりが冷めたらわしが迎えにゆく!」 どしゃぶりの雨の向こうから人影がこっちに向かってきた 手に何か持っている ケイ「見ちゃいかん!!!」 それはヘリュウとナトリーのものだった 「また邪魔をするのかお前達はぁ!!」 ケイ「異次元の門よ…我が契約に基づき…貴世へといざないたまえ…契約者の名はケイ・リンドバーク……」 すると魔法陣の空中が裂け扉が現れた ケイ「開門!!」 ゴゴゴゴゴゴゴ…… ケイ「いいかね、君は死んではならん…もしかしたら親のことを思い出すかもしれんが、気を強くもつんじゃ。さすれば新たな道が現れるやもしれん!」 女「わ…わかんないよぉ……」 ケイ「時間がない…早くその門の中に入るんじゃ」 529. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/25(日) 01 27 47.32 ID ZCWmvkAO 世界を統べる者「止せ!!」 ケイ「貴様の思い通りになぞさせてたまるか…!」 世界を統べる者「老いぼれがっ…!ならば!*メオンラグラシア!!」 *物質を原子レベルまで分解する魔法。習得難度S ズヴァヴァヴァ!!! 大男の腕から放たれた紫の光線は導師の腕をもっていった ケイ「ぐぁぁっ!!」 女「導師様!!血が…」 ケイ「早くゆけい!!門が閉まるじゃろが!儂が盾になるから早く!」 「次は外さぬ!!メオンラグラシア!!」 ケイ「*アンチスペル!!」 *対抗呪文。島マナ2 531. 以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします 2009/01/25(日) 02 03 51.87 ID o0okCY6o 1 そういえば今後の方針ってどうなった? このまま受験勉強と平行して書き続けるのか? 532. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/25(日) 09 30 50.73 ID ZCWmvkAO 531 多分 533. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/25(日) 11 52 29.07 ID ZCWmvkAO 門の奥は闇 まるでそこには何もないというような無の世界が広がっていた この無の中に自分が入るなんて考えただけで恐怖で足が凍った 自分をその中に投げ込む勇気はない バチィッ! ケイ「ぐぅっ…!!」 ザッ もうすぐそこにいた 能面的な仮面の大男が 女「うぁ…あ…」 世界を統べる者「無駄なあがきだ…」 手には生々しい首があった ケイ「見てはならん!…は、早く入るんじゃ!闇を畏れてはならん!」 恐い…目の前にあるものも恐い… どうして…どうしてこんなことに…… 世界を統べる者…こいつが来たから…こいつが全部を奪ったんだ 恐いけど憎い 許さない… その時、女を囲んでいた螺旋状の線が女の足に絡みつき 扉へと動かした 一歩…一歩… 世界を統べる者「待て!鍵よ!!」 大男が手を伸ばした時には 女の体は扉の闇の中に吸い込まれていた そして扉は閉まり、パッと消えた 「……わかっているだろうな、老いぼれ」 534. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/25(日) 12 06 29.80 ID ZCWmvkAO 「また…私の邪魔…をする…のか貴様等…は」 ケイは膝をつき観念したように頭を垂れた ケイ「お前みたいなよくわからん者に若い芽を摘まれるのを見るのは…もうコリゴリじゃからのぉ…ゴホヅ」 「言い残すことはそれだけか、爺」 ザァァァァー……… ズヴァヴァヴァ!! ザァァァァー…… ――――――― 何だろう…この感じ… 無と自分が溶けて一体になる感じ… 手も足もないみたい…ただ感覚だけが残ってるみたい… あ…光が… 私がいる…?でもなんだか違う… 違う服を着てる… なんだか温かい…眠く……なってきちゃった…… ―――――――― 535. 1 ◆DlyW/s8ibQ 2009/01/25(日) 12 52 17.69 ID ZCWmvkAO ―――――― カチッ ジリリリリリリ うるさいなぁ… 眠い目をこすりながらアザラシ型の目覚まし時計をみた 6 50… 「あっ…」 ここは……初めてみたのに知っている。 自分が今どこにいるのか知っている そして、今から何をすればいいのか頭にぼんやりと浮かんできた 「唯〜朝ご飯できたわよ〜、起きなさーい」 下から声が聞こえた、あれは母の声だ。 当たりを見回す… このアザラシの目覚まし時計…お父さんに水族館で買って貰ったやつだ… 教科書が山積みになってる木でできた学習机…中学生になったときおばあちゃんに買ってもらった… みんな知らないのに知っている 見たことないのにいつも見ていた 「夢…?」 今見ているのが夢…?さっきまでのが夢…? とにかく学校にいかなきゃ }
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【Tags Miku Scop tT T】 Original Music title トップシークレット English music title Top Secret Romaji music title Toppu Siikuretto Music Lyrics written, Voice edited by すこっぷ (Scop) Music arranged by すこっぷ (Scop) Singer(s) 初音ミク (Hatsune Miku) Click here for the original Japanese Lyrics English Lyrics (translated by vgboy / vgperson): To speak figuratively, I m like an apple; Sweet, brittle, and poison What I want to hide is worthless Go on, somebody, laugh at me Something small - an appeal, a compliment, a misleading word; They re all connected... upon being nothing but lies Like a red, red, red, red apple, At my sweet, sweet, sweet, sweet temptation, I cry Long, long, long beyond my regret, Is there anything at all? The sun, the sea, kisses, the future; Is it wrong to ponder on those things? Listening closely for an invisible enemy, It frightens me - no, makes me sick to my stomach Even if you punish me once or twice, I ll just coolly go on telling more lies, won t I? When I hold up the white, white, white, white light, I slip under the dark, dark, dark, dark shadows, And a tiny, tiny, tiny secret is glorified Will anything ever change? Surrounded by red, red, red, red lies, Faint, faint, faint, faint tears surface again Though burdened with a deep, deep, deep debt, I won t ever stop... It s not anything I loved, or any kind of big deal, But what I touched, what I saw, I made sure to take it all Whatever lies I wound with, and whatever wounds I suffer, I must protect what I must...! What I want to protect is something important to me Laugh all you want, I ll stand by to the end... Romaji lyrics (transliterated by vgboy / vgperson): Tatoeru naraba ringo mitai ni Amaku morokute doku no aru mono Kakushitai no wa kudaranai mono Dareka waratte yo konna atashi o Chiisa na mie to seji to kotoba-damashi o Tsunaida yue ni tada uso o tsuku no desu Akai akai akai akai ringo mitai na Sono amai amai amai amai yuuwaku ni naki Nagai nagai nagai koukai no saki ni wa Nanika ga aru no desu ka Taiyou mo umi mo kisu mo mirai mo Souzou shite wa ikenai no desu ka? Mienai teki ni mimi o sumashite Obieru nante hakike ga suru wa Ichido ya nido kurai uchinomesarete mo Atashi wa heiki de mata uso o tsuku deshou Shiroi shiroi shiroi shiroi hikari kazaseba Sono kurai kurai kurai kurai kage ni magirete Chiisai chiisai chiisai himitsu wa bikasare Nanika kawaru no desu ka Akai akai akai akai uso ni matoware Mata awai awai awai awai namida ukabete Fukai fukai fukai oime o seotte mo Yamerarenai no Aishita mono taishita mono dewa nai keredo Tada te ni shita mono me ni shita mono subete uketome Donna uso de kizutsuki kidzukerarete mo Mamoru mono wa mamoru yo Mamoritai no wa taisetsu na mono Dareka waratte mo mamorinukunda [Sukoppu, Scop]
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【Tags Mikito-P MikitoP Miku TomadachiboshuuP Tomodachiboshuu-P tM S】 Original Music title 刹那プラス English music title Momentary Plus Romaji music title Setsuna Plus Music Lyrics written, Voice edited by みきとP(Mikito-P) Music arranged by みきとP(Mikito-P) Music mixed by 友達募集P(Tomodachiboshuu-P) Singer(s) 初音ミク (Hatsune Miku) Append Click here for the original Japanese Lyrics English Lyrics (translated by renna_usagi): Why do you seem fine even when you lie to people? Surely, that small, small lie changed the form of a lie. Why are you smiling? Who don t you mind seeing? Surely, on the other side of that invulnerable wall, depression is peeking through I m worried about you, you know Even though I have an ulterior motive, you don t mind, right? The bell rang at midnight, an emergency in the momentary silence It is lonely? Are you lonely? I ll cover it up for you. Come now, open your mouth. I ll pour it in directly. Surround medical melody Why do you appear as if you re being strict with yourself? Surely, you just long for some small, small person or something I m worried about you, you know Even though it s a sudden impulse, you don t mind, right? Whose song is this? A clinic in the momentary forest I ll diagnose, I ll diagnose the real you Come now, roll up your sleeve. I ll pierce you directly. Surround medical melody Ephemeral dreams, even the wings of desire Everything is momentary, a transient world Become wounded, forget your wounds The bell rang at midnight, an emergency in the momentary silence Do you miss it? Are you lonely? I ll heal you. Come now, open your mouth. I ll pour it in directly. Surround medical melody Whose song is this? A clinic in the momentary forest I ll diagnose, I ll diagnose the real you Come now, roll up your sleeve. I ll pierce you directly. Surround medical melody Surround medical melody Romaji lyrics (transliterated by fafrotsky): doushite kimi wa hito ni uso wo tsuitemo heiki sou nano kiito chiisana chiisana uso ga uso no katachi wo kaete shimatta doushite kimi wa egao dare ni kamawazu misete shimau no kiito nankou furaku no kabe no mukou gawade wa utsu ga nozo ita kimi no koto ga shinpai nano sa shita gokoro demo kamawanai deshou mayonaka no beru ganari setsunaru shijima ni kyuukanda sabishii no sabishii no umete ageruyo hora hora okuchi akete chokusetsu sosoide ageru saraundo medikaru merodi doushite kimi wa kimi ni kibishiku shiteru youni miseru no kiito chiisana chiisana hito no akogare ka nanka ga hoshii dake kimi no koto ga shinpai na no sa deki gokoro demo kamawanai deshou kore wa dare no uta nano setsunaru mori no shinryoujou misete goran misete goran hontou no kimi wo hora hora udemakutte chokusetsu sashite ageru saraundo medikaru merodi utakata no yume mo yokubou no tsubasa mo subete wa setsuna mushou no sekai kizutsuite kizu wo wasurete mayonaka no beru ganari setsunaru shijima ni kyuukan da koishii no sabishii no iyashite ageru hora hora okuchi akete chokusetsu sosoide ageru saraundo medikaru merodi kore wa dare no uta nano setsunaru mori no shinryoujou misete goran misete goran hontou no kimi wo hora hora udemakutte chokusetsu sashite ageru saraundo medikaru merodi saraundo medikaru merodi [Mikito-P, MikitoP, Tomodachiboshuu-P, TomadachiboshuuP]
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【Tags Miku tC yusukeP C】 Original Music title cosmic tones Romaji music title cosmic tones Music Lyrics written, Voice edited by yusukeP Music arranged by yusukeP Singer(s) 初音ミク (Hatsune Miku) Click here for the original Japanese Lyrics Romaji lyrics (transliterated by motokokusanagi2009): tatoeba hikari ga kie te kurayami sekai o ōtte shimau toki wa kami sama to te o tori atte yakusoku shita koto o oshie te kureta mirai o tesagrui tadotte miru nda mugen no uchū eto hate naki kōkai o koe o hibikase te hikari o motome te sukoshi no fuan to kasuka na kibō ga tsubasa o habata kase sekai ga kagayaki dashita kasanaru futatsu no kūkan ga butsukaru sekai wa kawatta hotobashiru netsuryō to umare dashita kasoku do "furi kaeru hima wa nai yo" mezame no koe ga kiko eta tatoe kono koe ga chikara o ushinatte yami ni nomare temo terashi tsuzuke te ite kiko ete imasu ka toi kake tsuzuke te mabushī hikari ni sekai ga kagayaki dashita mugen no uchū eto hate naki kōkai o koe o hibi kase te hikari o motome te sukoshi no fuan to kasuka na kibō ga tsubasa o habata kase chū ni mau yo tatoe kono koe ga chikara o ushinatte yami ni yamare temo terashi tsuzuke te ite kiko ete imasu ka toi kake tsuzuke te mabushī hikari ni sekai ga kagayaki dashita [yusukeP, yusuke-P]
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【Tags Cream Shichou Miku tM M】 Original Music title マリオネット English music title Marionette Romaji music title Marionetto Music Lyrics written, Voice edition by クリーム市長 (Cream Shichou) Music arranged by クリーム市長 (Cream Shichou) Singer(s) 初音ミク (Hatsune Miku) Click here for the original Japanese Lyrics English Lyrics (translated by hokorichan): Threads and Honey entwines Why are people created? For what do they wander about? They don’t have the answer, and yet they still act conceited A~Ha~Ha~ With an attitude like a dog, giving flattery even when I hate it I want the passion you have Oh~oh Switching between bait and lash at whim, putting the dress on and then stripping it off Why are you enjoying tormenting me? The most important part always got neglected I’ve had enough, tonight, with my fangs I’ll bite this off at last! It’s good bye? Don’t you cry without your Monkey Lady Even a marionette can fall in love Although I won’t say it is platonic Please don’t put me aside, let me feel you You softly murmur your excuse and sweet words But why are you looking at me with such cool eyes Could it be it is all in your plan?! Keeping me anxious just for anxious sake After all, you know all about my weak points Frankly, I just want a love so sweet it melts my heart Breaking everything and let me fall Tangled with you, That’s enough Bring me higher love Give me all your love Even as I sit silently, I’m waiting for you to Kiss Me Today I’m wrapped in a luxurious dress again, wagging my tail at you In the end we are back to square one, a night just like other nights Even though I am such a silly fool Please kindly show me, days with my heart at ease And the joy of knowing love Burning a wider and deeper crimson than ruby Throw that crude pride away somewhere Give the fruit of love to this cold body There is no need for words, just touch my heart Is this puppet nothing but a puppet to you? Hold me, hold me, hold me Hold me, sooth me, hold me Wretched, yearning, lonely, longing Even if, one day, these “strings” Were to be cut and I was set free My “string” of fate that is tied to you Can never be severed Therefore Don’t you cry without your Super Lady Do you like marionette? In this world, I know there is only one person Who can understand you, and that is me Romaji lyrics (transliterated by hokorichan): ito to mitsu karamete hito wa naze tsukurarete nani wo motome samayouka kotae wa denai mata hitori yogari A~ Ha~ Ha~ inu no youna taido de iiyarashiku mo kobi uru anata no motsu passhon ga hoshii Oh~ Oh~ esa mo muchi mo kibun shidai doresu kisete wa nugasete nani ga tanoshikute kurushimeru no? kanjinna toko wa itsumo oazuke de mou iya yo konya koso kiba de kore wo kami kitte saigo yo! sayonara yo? donchuu kurai uizaachuu monkiiredi marionetto datte koisuru no puratonikku nante iwa nai kedo kaigoroshi nante yamete kanjisasete anata wa sotto sasayaku iiwake to amai kotoba nano ni naze sameta me de mitsumeru no? moshikashite zenbu keisan sumi!? jirasu dake jirashi to ite yowai toko minna shitteru kuse ni ne hontou wa torokeru youna ai wo shite subete wo kowashi dokomademo anata to ochi majiritai dake mouiiyo burinmii haiyaa rabu gibumii oo ruyuarabu damatte itatte kisumii na joutai kyou mo goukana doresu matoi anata no mae de shippo furu kekkyoku moto no saya itsumo no yoru tottemo bakana watashi nandakedo douzo oshiete kudasai kokoro no yasuragu hi wo ai wo shiru yorokobi wo rubii yori mo akaku moe hirogaru chachina puraido wa doko kani sutete tsumetai karada ni ai no kajitsu wo kotoba wa iranai kokoro ni furete ningyou wa ningyou de shika nai no? dakishimete dakishimete dakishimete dakishimete uruoshite dakishimete wabishii koishii sabishii hoshii tatoe itsuka kono "ito" ga kirete jiyuu ni natta toshite mo anata to no unmei no "ito" wa zutto kire sou ni nai ne dakara donchuu kurai uizaachuu suupaa redi marionetto wa osuki kashira? kitto anata wo rikai dekiru no wa sekai de tada hitori watashi dake [Cream Shichou, Kuriimushicou, Creamshicou]